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製品・IT
出光興産 灰が溜まらないディーゼルエンジンオイル「イデミツ・アッシュフリー」
2022年10月12日
出光興産が9月1日に新発売したディーゼルエンジンオイル「idemitsu AshFree(イデミツ・アッシュフリー)」が、早くも注目されている。このエンジンオイルの大きな特徴は「灰が溜まらない」。同社では「販売開始後、多くの運送会社から問い合わせがあり、大きな反響を実感している」と話す。
「『idemitsu AshFree』はDPFの詰まりの原因の一つである『灰』を出さない、業界初のディーゼルエンジンオイル。開発期間は20年超し。発売前に行ったDPFの詰まり試験で改めて『idemitsu AshFree』はDPFに灰が溜まらないことを確認した」と述べる。
試験では、DPFを取り付けた実際のエンジンを使用。1・4Lのエンジンを2800rpm回転×140N・mトルクで200時間回した後、DPFを700度で3時間加熱。その結果、「DHー2オイル(出光製)」はDPFに灰が堆積したが、「idemitsu AshFree」は灰の堆積が見られなかった(写真参照)。
出光では運送会社やバス会社などの協力を得ての実車テストも進めており、「idemitsu AshFree」の使用で手動再生回数は月間8回から4回へと半減。中には手動再生が15回から1回に改善された事例もあるという。
潤滑油二部潤滑技術一課の霜崎英紀チーフエンジニアは、「当初は、『idemitsu AshFree』は灰が出ないことでDPFの寿命延長という中長期的なコストダウンを見込んでいたが、車両状態によっては短期間でも効果が得られるケースもある」とし、「走行距離が多い車両では効果が出やすい」と説明する。
同オイルの仕入れ価格は従来より上がるが、DPFのメンテナンスコスト減や、手動再生回数減による待機時間や燃料費減、自動再生間隔延長による燃料費等の削減を換算すると、1年間で1台当たり20万円程度のコストダウンとなる。
また、2万5000km以内でのオイル交換という注意点もあるが、DPFに頭を悩ませる運送会社にはメリットの方が勝りそうだ。
出光興産は、現時点では同製品の使用対象をトラック・バスの車両に限定しているが「手動再生回数減により待機時間の削減など労務時間の改善にもつながる。今後も運送会社様の課題解決の一助となるよう取り組んでいきたい」と力強く語る。
◎関連リンク→ 出光興産株式会社
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