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物流ニュース
国交省 堀内自動車局長 2月定例会見、取引環境適正化の進捗状況など話す
2023年3月28日
国交省の堀内丈太郎自動車局長は2月28日に行われた定例会見で、「標準的な運賃」「多重下請け」に係る実態調査と、元請けを対象とした取引環境適正化の進捗状況などについて話した。
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まず令和2年4月に告示した標準的な運賃の浸透或いは活用の状況、そして多重下請けなどの実態の把握のため、トラック運送事業者を対象に「『標準的な運賃』『多重下請け』に係る実態調査」を発出した。今般の調査では、令和2年の告示以降の制度の活用状況等の把握を行うことを目的としており、原価計算の実施、運賃交渉への標準的な運賃への活用、交渉の結果などについて3月末までに取りまとめます。
この調査結果を踏まえ、令和5年度末に適応期限を迎える標準的な運賃制度の延長などの所要の対応について検討する方針です。
多重下請けに係る実態調査については、トラック業界における多重下請けの現状や契約と実際の業務内容の関係について、調査を実施しており、4月をめどに調査をまとめる予定。
この調査結果を踏まえ、持続可能な物流の実現に向けた検討会の最終とりまとめに向け、多重下請け構造の是正や契約条件の明確化など、必要な措置について、検討を進めて参ります。
また、トラック運送業については、コストに見合った適正な運賃の収受ができておらず、荷主とトラック運送事業者のみならず、運送業界における多重下請け構造の下での適正な運賃収受に向けた環境整備が重要であると考えております。
昨年12月に中小企業庁が公表されました価格交渉促進月間のフォローアップ調査結果においては、トラック運送業の価格転嫁状況、27業種中、最下位となるなど、業界内における価格転嫁が進んでいない実態が明らかになっています。
独占禁止法や下請代金法(下請代金支払遅延等防止法)の法執行の強化など、政府全体として、価格転嫁に向けた様々な取り組みを進めているところです。
運送業界における多重下請け構造の中での適正取引の確保が強く求められている状況を踏まえ、国交省では昨年12月トラック運送業における適正取引推進会議を開催し、主要な元請け運送事業者に対して、理解と協力を呼びかけました。
本年に入り、複数の大手元請け事業者が自社及び協力会社のトラックドライバーの労働環境の改善などを目的とした運賃引き上げを公表するなど、積極的な価格転嫁の動きがみられるところです。
こうした動きがさらに広がり、荷主、元請け、下請け事業者を含むサプライチェーン全体での取引適正化につながっていくことを期待するとともに引き続き状況を注視して参りたいと考えています。
◎関連リンク→ 国土交通省
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