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物流ニュース
遠州トラック 実車キャビン使用の運転シミュレーター導入
2013年7月4日
遠州トラック(澤田邦彦社長、静岡県袋井市)はドライバー教育訓練のため、トラック運転シミュレーターを導入した。三菱ふそう社製の実車キャビンを使用し、車内の状況、車外の映像とも徹底的にリアリティを追求したのが特徴で、いわばフライトシミュレーターの「大型トラック版」だ。5月29日から31日までの3日間、本社配車センターで内覧会を開いた。
キャビンの外に80インチの大画面液晶テレビ3台を並べ、高精細3次元コンピューターグラフィックスによって、実車走行さながらの映像を映し出す。また、ドアミラー部分にも大型モニターと連動して、車両後方の映像が映る。
訓練に使用するのは、おもに(1)危険予知(2)急ブレーキ体験(3)夜間走行(4)悪条件下での走行――の4パターンで、そこから更に20パターン程度の走行ルートや運転状況を細かく設定できる。大型トラックでの走行を忠実に再現しているため、左折時には内輪差で交差点上の障害物に衝突する事故も起きるようになっている。
「危険予知」では、全長5キロのルートを走行。路上駐車している乗用車を追い抜く際に子どもが飛び出したり、右折時に対向する大型車の陰からオートバイがすり抜ける状況を再現し、ドライバーの危険予知、回避能力の向上に役立てる。
悪路走行では、実車で経験しづらい雪道での走行を再現し、スリップや視界不良といった危険状況を体験できる。
訓練終了後には、上空や対向車の視点から自身の映像を振り返ることができる。そのうえで運転に対する評価と今後の注意点などが示される。また車両にかかった前後左右のG(重力)メーターも表示されており、積載している貨物へのダメージを知ることができる。
三菱プレシジョン(東京都江東区)が同社と打ち合わせを繰り返しながら、構想段階から約4年、着手から8か月かけて開発した。新人やデジタコのスコアが低いドライバーらを優先的に訓練させ、安全レベルの向上につなげるほか荷主や協力会社にも利用してもらう。また、地元警察の協力を得て、近隣の小学生を対象にした交通安全教室などにも使用する。
同社はこのシミュレーターのほか、視力・深視力検査装置、講義室などを備えた教育センターを本社内に新設。設備投資額は約6000万円。
◎関連リンク→ 遠州トラック株式会社この記事へのコメント
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