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    高齢化社会で不安視 霊柩車は飽和状態

    2013年12月17日

     
     
     

     平成20年9月のリーマン・ショックを端に発した世界同時不況は、運送業業界にも大きな衝撃をもたらした。国交省自動車局貨物課の資料によると、平成元年に3万9555者あった事業者数が、平成19年には6万3122者にまで倍増。しかし、リーマン・ショック以降、それまで続けていた増加がストップしてしまう。
     ここ数年は6万2000者で推移しているが、内訳を見ると、一般、特定が足踏み・減少傾向にあるのに対し、霊柩は平成15年度を境に増加している。高齢化社会を象徴する数字とも思われるが、実際のところを関係者に聞いてみた。


     全国霊柩自動車協会では、「物流二法の改正以降、雨後のたけのこのように事業者が増えて困っている」という。さらに、「規制緩和で異業種からの参入も増えており、従来からの専業者が苦しい立場に立たされている」と漏らす。
     しかし、火葬場に目を移すと違う事情が見えてくる。火葬場と斎場の発展をめざしている火葬研によると、「首都圏などの大都市については、将来的に人口の増加で火葬場不足は回避できない状況」と危惧している。火葬場が足りなく、霊柩車が増えているというアンバランスな状況となっているようだ。
     しかし、高齢者問題を扱う厚労省は、「霊柩車が増えているかどうかなど、こちらの所管ではないので分からない」(生活衛生課)とコメントしている。
     ますます深刻さを増す高齢者対策については、縦割りではなく、他業種にまたがった横断的な考え方が必要と識者は見ている。

     
     
     
     

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