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物流ニュース
不二製油 モーダルシフト推進
2014年7月31日
不二製油(清水洋史社長、大阪府泉佐野市)は、「油脂加工食品」「大豆たん白加工食品」の2大事業を軸に、洋菓子店やコンビニ、製菓メーカー、加工食品メーカーなど幅広い顧客を持ち、チョコレート用油脂をはじめとする油脂製品や、マーガリン、チョコレート、ホイップクリームなどの製菓・製パン素材、大豆たん白素材、豆乳、冷凍とうふやがんもどきなどを製造している。同社の物流への取り組みを、柴田徹営業本部ロジスティクス部長に聞いた。
夏場でも溶けにくいチョコレート、日持ちするクリーム、肉に近い食感の大豆たん白素材など、顧客のニーズに応える機能を持つ製品に強みを持つ同社。「昔は各地で個別の倉庫を借りていたが、そうすると、保管状況にムラが出る。現在は関西、関東に拠点を持ちながら、製品を同じ保管・配送条件で全国各地にスルー配送している」(同氏)と説明する。
倉庫の温度帯は四つに分類され、常温、冷凍、冷蔵、定温に対応できる拠点で保管・配送、集中管理している。「昨今の人手不足や高齢化の状況を考えると、ドライバーの負担を減らす新しい運び方や、仕組みを考えていきたい」とする。
また同社は、環境に関する取り組みでモーダルシフトを推進している。昨年は国土交通省からエコレールマークの認定を受けているが、「時間指定や急な納期変更に対応できないなど、鉄道輸送には限界がある」と課題を挙げる。
さらに、「ソフトタンク」という使用後に折り畳んで収納可能な液体輸送タンクを利用している。「ソフトタンクで液体原料を調達した後、帰りは折り畳んで、荷台に出来上がった別の製品を運ぶラウンド輸送を実施している」と話す。
物流パートナー会社との連携も重要視している。昨今の食品偽装や異物混入などで、企業に求められる社会的責任の安全基準は以前よりはるかに厳しくなっている。例えばタンクローリーの封印状況、乗務員の服装など、製品の保管・配送状況だけでなく、物流業務に求められる要望は多岐にわたっており、同社では定期的に分科会を開いてフードディフェンスや労務管理問題などテーマを決めて話し合っている。他にも運転者や管理者向けの勉強会も開催し、「運んでいる製品が最終的にどんな商品になるかを知り、愛着を持ってもらいたい。そのために、定期的にパートナー会を行っている」と話す。
今後の課題について、「物流パートナー会社の皆様とともに、今後も持続可能な配送の仕組みを構築していきたい」としている。
◎関連リンク→ 不二製油株式会社この記事へのコメント
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