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物流ニュース
シード 「患者直送」の変化に対応、時間と品質を重視した配送
2015年1月8日
商流の変化に伴い、物流の形を変えてきた、コンタクトレンズ・ケア用品などを手がけるシード(浦壁昌広代表取締役社長、東京都文京区)。商品部の桐山武司部長(上写真)と、同部物流グループの小山智マネジャー(下写真)に、業界の動向と、今後の物流戦略について話を聞いた。
「従来型のコンタクトレンズは、買い替える際に、自分がどんな商品を使っていて、度数がいくつなのかも覚えていない方が多かった。現在、主流となっている使い捨てコンタクトレンズは、パッケージに度数もすべて記載されているので購入しやすくなった」と、桐山部長はネット小売市場発展の経緯を説明した。
コンタクトレンズ業界のネット小売市場は、400億~500億円規模とも言われている。同社の取引先である大手量販店もネット販売に力を入れるようになり、「一定の処方期間内であれば、登録している同じ度数のレンズをネットで購入し、自宅に届く」サービスを展開。一般の販売店でも、まとめて購入したいというユーザーの要望から、自宅に直接配送するニーズも一定量あるという。
「高度管理医療機器であるため、対面販売してほしい」という業界の思いを尻目に今、こうした「患者直送」が増えている。
同社のコンタクトレンズは、横浜の物流センターから全国に配送される。海外から輸入したレンズは同センター内で1ロット1箱ずつ抜き取り、検査した後に、合否判定を出してから出荷。国産のレンズは、埼玉県鴻巣市と桶川市の工場で製造され、横浜の物流センターに週4日程度で届けられているが、市場における使い捨てタイプの伸長と売り上げ好調で出荷量が増加し、小山マネジャーは、「システム自体が追いつかなくなってきている。『マテハンの強化』『スペースの拡充』が中長期的な課題」と話している。
7月には、BCP拠点として福岡に物流センターを開設した。これまでコンタクトレンズは横浜の物流センターから地域に応じて空輸と陸送で発送されたが、台風のシーズンに飛行機が飛ばないとなれば、中1日遅れることも想定される。しかし、福岡に配送拠点を設けて在庫を持つことで、九州及び中四国の一部は陸送で届けることができる。桐山部長は「新センターの開設が九州・中四国のサービス拡充につながる」と期待を寄せる。
コンタクトレンズ業界では、基本的に「注文を受けたものを翌日の午前中までに届けるのが常」で、「高度管理医療機器であるため通常の消費財と比べると、モノ自体の必要性が高い」という特徴がある。時間的な制約と品質面を重視した配送を考え、柔軟に対応できる配送業者を選択している。
横浜の物流センターは当初、約400坪の規模でスタートしたが、徐々に拡大し、10月には約1400坪に。作業スペースを確保しながら、中長期的な構想として徐々に新しいマテハンの導入を進め、時間単位あたりの荷さばき量を増やしていくという。「まだまだ新商品は増えていき、患者直送の増加も予想される。出荷量の増加にも、しっかりと対応していきたい」と桐山部長は言葉に力を込めた。
◎関連リンク→ 株式会社シードこの記事へのコメント
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