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運送会社
梵天堂 栁田社長 「時代に沿った事業展開」老舗の挑戦
2015年10月2日
神奈川県茅ヶ崎市の梵天堂(ぼんてんどう)は、昭和50年設立の老舗運送会社。地域では長らく金子自動車運輸の名で親しまれてきた。長年にわたって食品物流を事業の中心に据えてきた同社だが、創立40周年を機に社名を刷新し、新たな挑戦を始めている。
41期目にあたる2015年4月から、新代表に就任したのが栁田雅也社長。同社に入社する以前は、職人として壁紙の張り替えやペンキの塗り替えなど、店舗の営繕事業を専門としていた。栁田氏がドライバーとして社会福祉法人や医療法人へ食材の配送を行っていた時のこと。施設設備のトラブルを持ち前の技術で解決したことがきっかけとなり、福祉・医療施設を対象としたトータルサービスを提供することになった。これまでは、食材の納品のみ行っていたが、衛生用品など施設の運営に欠かすことができない物品の販売を開始。さらに、設備トラブルの対応や営繕事業をサービスメニューに追加した。
「御用聞きのようなもの。必要な物品の販売から、床材や壁紙の張り替えまで対応する」と説明する。施設側としては、別々の業者に頼んでいたことが一括して依頼できるため、コスト削減とともに利便性の向上につながる。あくまで「基本は運送」としながらも、インフラを活用できる様々なサービスを付け加えている。「食材の納品で、配送員が毎日顔を出すことになるので、顧客側も気軽に依頼できる」と栁田氏は加える。
今後は、サービス提供先を増やしながらも、地域を限定した密着型のサービスを展開する計画だ。 「組織のシステムや社員の意識を変えていくことが一番の課題」という。
同社のように運送事業者としての長い歴史があるほど、会社全体の考え方を変えていくのは容易なことではない。同社の前社長である岩崎和嘉会長は「時代は移り変わっていく。自分とは全く違う感性を持った人が代表を務めることで、新たな事業展開が期待できる」と語る。 -
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