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ダイセーロジスティクス 田浦社長 「社員も家族も大切に」
2025年8月7日
ダイセーロジスティクス(田浦辰也社長、東京都文京区)は今年4月、創業50周年を迎えた。関東地域の食品輸送を基軸とする同社の4代目社長、田浦氏に話を聞いた。
田浦社長の出身地は青森県。この業界に入ったのは「お金を稼ごうと思った。当時、ドライバーは稼げる職業だった」と振り返る。「キツイ仕事だったが運転は好きだったので、仕事が辛いというより、上京してきたばかりのころは、まず道を覚えるのが大変だった」という。
その後まもなく、センター長に抜擢。「当時のセンター長が辞めてしまい、かなり早い時点でこの役を任された。人を使う仕事は初めてで、ここは行きたくないとか、逆にここしか行かないとか言うドライバーの扱い方にとても苦労した。現場は24時間稼働なので、組み合わせやローテーションにも頭を使った」と笑う。「当時はコンビニの配送をやっていたが、荷主との間に管理会社が入っていて、そこからの条件が厳しかった。荷主会社に直接モノを言えず、意思の疎通ができないのが大変だった。しかし出身地の青森にはまだコンビニがほとんどなく、仕事が厳しくても、そういうものなのだろうと。知らなかったからできたと、今は思う」。

食料品をメインに取り扱う同社はぐんぐん拡大していった時代。「お客さまとともに成長していった」。ここ数十年で大変だったのは温度管理。「かつて、お菓子の配送時は庫内にドライアイスを入れておけば良かったが、温度管理が厳しくなって商品自体の温度管理も求められるようになった。だからお菓子の配送には、すべて保冷車を使うように切り替え中」と話す。
同社では大型から小型までのトラック300台以上を保有。「車はある程度のところで替えていかないといけない。修繕費がかかるようになる直前を見極めるのが難しい。そこで現場任せにせず、昨年、距離と年数で規定を決め、それに準じて対応するようにした。今までは、入れ替えのタイミングを車両管理の担当者が決めていたが、何かあればその担当者が責められる。それは理不尽だし、かわいそうなので管理しやすくした。AI技術が進んだいま、機械ができることは、できるだけ機械に任せていく」と説明する。「人の能力の見極めは、その人の良い所と経験値。自分のトラックをきれいにし、大事にしているところとか。AIを怖がり、自分の今の仕事を抱え込み、反発する姿も見受けられるが、AIを使いこなすようになってほしい」と述べる。
同社でも人手不足の課題は深刻だ。田浦社長は「新規採用は必需だが、それ以上に大切なのは、離職者をなくすこと。それには社員の家族も一緒に大事にする」と話し、子どもの誕生など家族のお祝いごとにはお祝い金を出している。また社員の健康維持のため、医療の専門知識を持つ看護師を2人雇用し社員専従の相談員を設置。各営業所をまわり、健康不安を抱える社員が相談しやすくした。「もっと人数を増やしていきたい。社員が元気に働けるよう、その家族も安心して送り出せるようにしたい。そういう福利厚生は大事。それは顧客へのサービスのアップグレードにもつながる」。

同社は50周年を機にロゴマークも刷新。社内で公募、約90作品が集まった。決定したロゴは、元デザイナーの経歴を持つドライバーが作製。コーポレートカラーの青を基調に企業理念の「Always Be Better!!」をコンセプトにDとLを組み合わせ、未来志向やポジティブさを表し、道路やジャンクションをイメージしている。
◎関連リンク→ ダイセーロジスティクス株式会社
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