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物流ニュース
セイコー運輸 運送の枠にとらわれず事業発展
2015年12月8日
近年では異業種との連携で運送の枠にとらわれない事業を展開する事業者も多い。異業種との連携と中小企業だからこそできる「きめ細かいサービス」を展開し注目を集めるセイコー運輸(大阪市住之江区)。このほど、同社の社長に就任した宮髙豪氏に話を聞いた。
同社のサービスの一つである移動写真館サービス「フォトすむーぶ」による高齢者ドレスアップ撮影会がこのほど行われた。今回の撮影会には、同社の「シルバー住むーぶ」を利用した高齢者が招待された。撮影会は写真館との連携で生まれたもので、もともとは「トラックの中で遺影を撮影する」という終活サービスの一環だったが、最近では「近影」の撮影が多いという。ドレスアップとヘアメイクは、ドレスを着た経験がない高齢者に好評だ。宮髙社長は、「一昔前では生前の遺影撮影は『縁起でもない』とされていたが、最近では遺影にこだわりを持つ人が多くなった。今後、ニーズは高まっていくのでは」と話す。
少子高齢化とともに運送業の売り上げ低下も予想されるため、さまざまな事業に着手する同社。しかし、「あくまでも主軸は運送」と宮髙社長は話す。
トラックと運転者を時間でレンタルする「タイムレンタル住むーぶ」。全国に「住むーぶ」のパートナー契約を結んでいる企業は20社22都府県に及ぶ。宮髙社長は今後、全国に広げていきたいという。「企業づくりのノウハウ共有も『住むーぶ』の魅力の一つ。『住む―ぶ』では、各県特有の地域性を尊重しながら仲間を増やしていきたい。現在、中部地域、栃木、茨城で一緒に活動してくれる仲間を探している。中小企業が連携することで、互いの強みをさらに生かすことができる。賛同してくださる企業の方にはぜひ参加いただきたい」という。
「シルバー住むーぶ」「フォトすむーぶ」ともに、高齢者をターゲットとしたサービスだが、その理由として「高齢化」を挙げる。「敬老の日の調査で、65歳以上の高齢者が全人口の26.7%を占めると発表された。高齢社会の地域の困りごとを、一つひとつ拾い上げていくべき。私には『住むーぶ』を全国に広めていくことと、大阪でシルバー引っ越しを浸透させていく〝二つの視点〟が必要。新しいことにチャレンジしながら、サービスを深化させて、中小企業だからこそできるサービスを提供したい」。
今後の企業の展開について、「チャーター便の仕事、シルバー住むーぶ、フォトすむーぶなど、一つひとつのパーツを組み合わせて会社をつくっていく。会社という〝家〟をリフォームするイメージ。会社の環境を整備しながら、社員のスキルアップを図って進化していく。これは『シルバー住むーぶ』の事業からヒントを得た」と話す。
今秋には高校に新卒求人を出したいとしている同社。「ドライバーの仕事だけでなく、引っ越し、写真の仕事もある。今までの基盤を生かしながら新しいことにチャレンジしていく」と意欲を見せる。
◎関連リンク→ セイコー運輸株式会社この記事へのコメント
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