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物流ニュース
「無償ボランティアは継続困難」 引越ネットワーク運営のリベロが描く「まともな」支援の形
2025年12月3日New!!
全国の引越事業者156社が参加する引越プラットフォーム「HAKOPLA(ハコプラ)」を運営するリベロ(鹿島秀俊社長、東京都港区)は、災害発生時に人材・車両などを提供し機動する「HAKOPLA災害支援ネットワーク」を2023年に立ち上げた。現在は69社が参画する。
現ハコプラ理事長の山本恒夫氏が社長を務めるスタームービング(スター引越センター、横浜市港北区)が東日本大震災以来、自発的に続けている災害支援活動が被災者と支援者の双方にメリットをもたらしていることに注目したことがきっかけだ。
引越会社のネットワークを活用すれば、全国どこで発生した災害であっても被災者が必要としている支援を行うことができるほか、支援する側の引越会社にとっても社員が精神的な満足感や充実感を得ることができる貴重な機会になる。
こうしたメリットを支援側も得ることができるが、支援活動を続けることは簡単なことではない。山本理事長は「当社が行った東日本大震災の支援では、4トン車40台くらいで支援活動を行った。自発的に行った活動とはいえ、燃料代などの実費は負担になった」と話している。
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民間サービスを継続させるには
民間がそれぞれの得意分野で行う支援は行政支援に比べて、被災者ニーズに合わせて行われるものが多い。一方で、公金が入らない民間サービスを継続させるにはどうするのか。
食品などの災害支援物資のほとんどは、自治体がその費用を負担することが多い。だが、災害輸送に関してはこれまで、事業者が負担することが多く、輸送事業者側にも「ボランティアは無償で行うもの」という固定観念が強かった。
実際に、2016年の熊本地震では、熊本市と「広域相互応援協定」を締結していた兵庫県尼崎市が、支援物資の輸送を依頼した兵ト協東部支部に「運賃は出ません。無償で運んでほしい」と要求した。
「必要」とするもぞんざいな対応
同支部では、この協定に基づいて支援物資輸送に協力したが、同市の要求通り、運賃を受け取ることはなかった。「必要としている割には、費用を負担する価値はない」と言われているようなぞんざいな対応に、あるトラック事業者は憤りを感じていた。この時の尼崎市の発言に対し、トラック事業者からはじめて、自治体に費用負担を求める声が高まった。
支援ネットワーク 中古物資を輸送
ハコプラの災害支援ネットワークはこれまで、23年の大雨被害(福岡県うきは市)や24年の能登半島地震(石川県七尾市)で、被災者のために提供された中古品の輸送を行った。冷蔵庫・洗濯機やテーブル・椅子などの中古物資を被災地で無料配布するための輸送だ。
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山本理事長は「企業が〝まともな〟支援活動を行うためには、実費としてかかった燃料費や人件費が有償で補填されなければ継続していけなくなる」とし、「応援に要した経費を自治体が負担してくれれば、全国の引越会社のネットワークをもって、必要な時に必要な支援を提供することができる。また、支援活動に参加してくれる会社も69社から増える可能性もある」としている。
◎関連リンク→ 株式会社リベロ
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