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物流ニュース
ドライバー交代方式の中継輸送 特積企業間で初、第三者が取りまとめ
2025年12月23日New!!
運送事業者以外の第三者がとりまとめる中継輸送が来年2月から始まる。参加する運送事業者は西濃運輸や福山通運など大手4社だが、単独で中継輸送を継続的に行う難しさは中小事業者と何ら変わらない。中継輸送中のドライバーを運送会社同士で交換するのは特積み企業間では初めて。各社の乗務員が中継拠点で別の会社のトラックに乗務する形で実施する。
2月から中継輸送を始めるのは、西濃・福通に加え、トナミ運輸と名鉄NX運輸の4社。4社は、関東―関西を結ぶそれぞれの営業所から出発したトラックを中継拠点の浜松に集結。例えば、西濃と福通の乗務員は、浜松で互いのトラックに乗り換えたあと、互いの営業所に戻る(図参照)。関東のドライバーは関東に、関西のドライバーは関西にそれぞれ日帰りできる。

運行データの収集や分析など取りまとめに当たるのは、東京海上日動グループ。共同での中継輸送はこれまで、責任の所在やコスト負担などの問題から取り組みには限界があった。競争意識や各社がそれぞれ自社の考え方を優先してしまうからだ。
第三者の同グループが中立的な推進役となることで「競争」から「共創」へ意識変容を促し、企業間の連携を可能にすることが期待されている。東京海上スマートモビリティの原田秀美社長が代表を務める物流共同事業体「baton(バトン)」は、参画事業者の「輸送量上位20路線」を中心に運行データを収集し、分析することで、ドライバー交替方式中継輸送の有望路線を絞り込み、2月から実証運行を行う。

実証運行を実施する西濃運輸の髙橋智社長は「他社との協業はこれまで、できない理由が先に出てしまってなかなか前に進まなかったが、第三者が業務に関わることで取り組みが加速すると期待している」とした。
福山通運の熊野弘幸社長は「個別の連携はやってきたが、競争の考えが先に出てしまい進まなかった。第三者が旗ふることによって共創が進むということを期待している」と話し、名鉄NX運輸の吉川拓雄社長は「連携を進めるうえでの難しさは、ややもすると個社の考え方を優先してしまうが、第三者を介在させることでバランス効果が得られる」。
さらにトナミ運輸の髙田和夫社長は「中立的な立場の第三者がリスクマネージメントや、データ分析に携わることは企業間連携にとって大いに意義がある」と述べた。
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