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    明確な雇用制度の導入を 「定年制」を考える

    2016年3月17日

     
     
     

     運送業界では現場のドライバーの高齢化が進み、定年の年齢を引き上げる事業者もいる。中でも、「定年制あり 一律60歳、再雇用あり 65歳まで」という体制での事業者も多い。しかし、「一律の年齢を基準にして退職させることはもったいない」「働きたい、働ける人は年齢に関係なく働けるようにするべき」という意見があるのも事実だ。
     厚労省が昨年10月21日に発表した高年齢者の雇用状況(昨年6月1日時点)によると、希望する全員が65歳まで働ける企業の割合は72.5%。企業の規模別にみると中小企業は74.8%で、大企業の52.7%を上回っている。また、過去1年間で定年に達した35万785人のうち、継続して雇用されたのは28万7938人で全体の82.1%を占めた。
     「定年を70歳に引き上げる考えはある。だが、廃止してしまうと、限りある人件費では若手を雇い入れることができなくなり、技術を伝えることもできない」と、定年制を維持すべきという事業者もある一方、「年齢でひとくくりにするのはおかしい。人材不足のいま、本気で定年制の撤廃を検討すべき。本人に意欲があって元気に働けるなら、自主性に任せたほうがいい」と話す事業者もあった。


     中には「高齢者が働ける環境をつくることは良いことだとは思う。しかし、若い芽を摘んでしまうことにもなりかねない」という中立的な意見の事業者もあった。また、賛成派・反対派の両側から聞かれたのが、「ドライバーに関しては年齢を制限した方が良い」という意見だった。
     近年、高齢ドライバーの交通事故が急増しており、長野県で発生したスキーバス事故の運転者は65歳だった。年齢が事故に影響しているかは分からないが、若い人に比べとっさの事態に反応するのに時間がかかってしまうのは事実だ。
     ドライバーを辞めてもピッキング、配車業務など受け皿がないと継続して雇用はできない。事業者の中には運送以外の事業を新たに展開し、次の職場を確保する例も出てきた。
     年金の受給開始年齢の引き上げなどで職場に増える高齢社員。人口減社会で生き残っていくためには、年齢や立場を超えて力を合わせなければ存続は難しい。高齢者の雇用で気をつけるべきなのは、退職金制度がない運送会社の多くは継続雇用の考え方が曖昧で、定年延長、または実質定年制なしの状態になっていることだ。明確な継続雇用制度をつくることが求められる。

     
     
     
     

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