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物流ニュース
キリングループロジ 加藤元社長 「人の力を最大限に生かす」(下)
2016年5月25日
1年を掛けて現場の声を吸い上げ、昨年7月に経営理念が完成したことで、会社の背骨が出来上がった。これからが本当の意味でのスタートだと加藤元社長は指摘する。今後は、メーカーの物流機能を一手に引き受ける。「面白いことが始まるとの期待も大きいが、それ以上に大変さもある」と本音が漏れる。
そんな同社の自信と武器になるのが「キリン品質」の構築だ。「いま取引いただいている得意先が離れていかない、キリンでなければ不安だと思われる。これこそがキリン品質」という同社長は、キリンだからこそできる物流サービスの品質向上を目指す。
その一環として、28拠点ある支店の支店長のマネジメントレベルをアップするため、メンバー育成・チームビルディング研修をはじめ、安全品質に絞った研修を行っている。同社は安全品質の専門的組織として、安全・品質・環境室を設置し、「キリンビールの工場で過去から培ってきた『品質第一』の徹底された考え方を、同社の安全品質面でも採り入れ、真の事故ゼロを目指していきたい」とし、活動範囲を増やしていく。
「決められたことを確実にこなす実直さ、運びきる現場力、そして習慣化されたカイゼン力が強み。この強みをさらに高め、魅力あるものにするのがキリン品質」と、同社長は無限の可能性を秘めた人の力を最大限に生かしていく考えだ。
また、今後は外販にも力を注いでいく。しかし、そこには単なる事業拡大という視点はない。同社長は、「キリン以外のお客様から信頼を得られれば、それが我々にとって自信につながる」という。さらに、「グループ企業の成長に合わせて我々も走り続けないといけない」とし、「グループ以外のお客様と仕事をすることで、いろいろなノウハウが得られる。ノウハウの蓄積が結果的にグループの成長に役立っていく」。外販における同社長の考えは、「グループの成長に伴走していくためにも必要不可欠なもの」との認識だ。
今年は4年振りに新入社員13人が入社する。「理念の価値観の中にある、心躍る挑戦、やりきる情熱をいかに彼らに伝え、実践させられるか」というのが今年の取り組みの一つだ。
「まだまだ課題が多く、やらねばならないことばかり」としながらも、キリン品質の構築を目指し、陣頭指揮を執る改革請負人は、「強みである人の力があるので、やれると実感しているし、楽しみでもある」と明るく、そして力強く話す。
■加藤元社長=昭和35年3月26日生まれ。同57年4月・キリンビール入社、平成12年7月・営業本部営業部営業企画担当部長代理、同17年9月・近畿圏統括本部近畿圏営業推進部部長、同25年3月・キリン物流取締役東日本支社長、同26年4月・キリングループロジスティクス代表取締役社長
◎関連リンク→ キリングループロジスティクス株式会社この記事へのコメント
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