-
物流ニュース
福岡ロジテック 永山浩二社長 「どん底スタートから逆転」
2016年7月12日
「大手港湾運送事業者の北九州市にある支店に就職したのが業界に入ったきっかけだった」と話すのは、福岡ロジテック(福岡県粕屋郡宇美町)の永山浩二社長。同支店に10年間勤めたという永山社長は、鋼材を扱う現場で、クレーンや玉掛けなどの作業に携わっていたという。
地元の運送会社に転職した同社長は、1年後に同社の福岡営業所の所長として、北九州市から福岡市にやってきた。当時、同社長が任された営業所は、いつダメになるかという状況に追い込まれていたという。
そのため、ある程度、やりたいことが自由にできる環境にあったとも。同社長は、営業所のトップとして、営業拡大に力を注いだ。その結果、2年足らずで、車両は6台から7倍近い40台へ、売り上げは月間700万円から9倍近い6000万円へと増えた。
しかし、会社は主要荷主から解約された影響で立ちいかなくなり、ついには倒産してしまった。当然、同営業所も継続できなくなった。しかし、取引先などの周囲の協力もあり、同社長は一念発起して独立の道を選ぶ。
4トン3台、10トン2台を中古で譲ってもらい、何とか5台をそろえ、緑ナンバーを取得したものの、「車両は分割払いをお願いし、手元に資金はまったくなかった」という、ぎりぎりでのスタートだった。当然、信用はなく、燃料など何を購入するときも、すべて現金払いだった。同社では、長距離を軸に展開していたが、当時、燃料は100リットル券を現金で買って、それをドライバーに持たせて給油をさせていた。そのため、券を使い切ると、次に券が買えるまで、長距離は走れないという状況になった。
「スタートして5年間は毎月、月末を迎えると、来月は会社が継続しているかなと考えていた」と振り返る。それほど、追いつめられた経営状態だった。
しかし、5年が経った頃から、徐々に資金繰りで心配することがなくなった。そして平成15年、同社長は、同社の将来を大きく変える選択をする。「関西の帰り車を直接使う市場占有率でトップをめざす」という具体的な目標を掲げ、実行に移す。荷主開拓を行い、荷物を探す一方、九州にやってくる関西の事業者との関係構築に努めた。「うちと取引していただく帰り車は、傭車ではなく、荷物同様に大切な存在」と指摘する。同社長は、「親切が先、商いは後」の理念の下、荷主そして取引先との良好な関係を築いていく。
求荷求車システムのWebKITやローカルネットを駆使して、関西だけでなく、関東へもエリアを広げており、すでに茨城県や埼玉県にも営業所を構えている。7月決算という同社は、間もなく今期の決算を迎えるが、昨期は売り上げ15億5000万円だったが、同社長によると、今期は18億円を超える見込みだという。
「帝国データバンクや東京商工リサーチの評点を、現状の55点から60点にすること」と、企業価値を追求する同社にあって、「売り上げ目標は数字では追っていない」としながらも、「まずは目先として、年商30億円を突破していきたい」と同社長は意気込んでいる。
◎関連リンク→ 福岡ロジテック株式会社この記事へのコメント
関連記事
-
-
-
-
「物流ニュース」の 月別記事一覧
-
「物流ニュース」の新着記事
-
物流メルマガ