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中古車ニーズが急増 新型シングルヘッドのバラ緩「不可」
2010年9月21日
物流業界では基準緩和により、単体物品専用以外の車両で車両総重量44トン(積載量およそ28トン)であればバラ積み緩和が認められ、シングルヘッドトレーラ(第5輪荷重11.5トン)であっても、3軸シャシーを利用して貨物のバラ積みが可能となった。その後、多くの運送会社が鋼材・雑貨にかかわらずバラ緩を取得して、シングルヘッドと3軸シャシーを導入し、鋼材のバラ積みなどを行うようになった。ところが突然、シングルヘッドの新車を購入しても第5輪荷重11.5トンが認められず、結果、シングルヘッドでの3軸シャシーけん引ができない事態に陥っている。新型を導入しての増車、買い替えが行えないなどの事態が運送事業者の間で発生し、突然の出来事に困惑している。
新型でのバラ緩が認められないことから現在、中古車市場では中古車シングルヘッドが高額で取引され、ちょっとした混乱が生じているようだ。大阪市で中古車を扱うドメスインタートレードでは、「新車のシングルヘッドでバラ緩が認められないことから、中古車の需要が高まっている。中古市場に出たとしても高額で、ユーザーの望み通りの金額には程遠く、運送事業者は増車したくてもできない状況」と話す。
また、大阪府堺市で鋼材輸送を行う大阪トランスポートの上橋將良社長は、「バラ緩が認められるまではツーデフヘッド(第5輪荷重18トン)を利用していたが、シングルヘッドでのバラ緩が認められることとなり、燃費の悪いツーデフからシングルに買い替えた。しかし、今になって新型シングルヘッドでバラ緩が認められないのでは事業者は混乱する」と不安を口にする。
バラ緩を管理する近運局では、「突然、道路局が軸重10トンを超える車両は認められないとしており、当局でも困惑している。道路の損傷などの理由により、道路管理の観点から軸重10トン超は認められなくなった」と説明。「海コン輸送については、コンテナの封印が存在することから単体物品との見方で、新型でも認められているが、そのほかの鋼材・雑貨などで単体物品以外の輸送では、新型ではバラ緩は認められない」とする。
基準がころころと変えられてしまっては、事業者は混乱するだけで、荷主に理解を求めるのも困難との声も聞かれる。(佐藤弘行)
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