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「誘導車配置違反」取り締まり本格化? 整備局が指導警告書
2010年11月1日
特殊車両通行許可を受ける車両は、積載する貨物が規格外であることから、地方整備局に許可を取得して通行させているのが現状だ。海上コンテナなどの貨物でも特車の通行許可が必要で、各社とも許可を取得して走行しているが、本来は海コンにも国道など幹線道路から枝道に進入する場合には誘導車が義務付けられている。しかし、低運賃で誘導車を設置する費用が負担できず、誘導車なしで走行しているのが現状で、阪神海上コンテナ協議会や阪神港海上コンテナ事業協組でも同問題について数十年間、誘導車なしの走行で何ら問題はなかったと話している。そんななか、9月に広島県福山市を走行中の海コントレーラが警察と中国地方整備局の合同街頭取り締まり検問で、誘導車を配置していなかったとして、神戸市の海コン業者に対して指導警告書を送付したことが判明した。
指導警告書によると、同社は9月16日午前10時36分、福山市大門町で誘導車配置違反(法第47条の2第1項)として、今後は同様の行為がないように十分注意するようにと指導された。今回は幸いにも指導・警告だけの処分ではあったが、今後、同様の場合には摘発される可能性もある。阪神港海コン協組の事務局でも今回の警告に驚きを隠せない様子だが、警告書を送付した中国地方整備局に話を聞くと、取り締まりや検問の回数、今後の実施予定については一切コメントできないとし、今回の送付については、「現場での判断で行っているので内容はわからない」と話している。
誘導車配置違反の指導警告や、これに関する検問や街頭指導の有無について、阪神港の海コントレーラの特車通行許可を行う近畿地方整備局では、「取り締まり指導などの実施は現場の判断で行っているため、回数や実施予定についてコメントできない」とし、同管轄地域でも行っていることを語った。
約30年近く海コン輸送に携わる運送事業者でも、誘導車配置違反で指導警告を受けた事業者はほとんどおらず、今回の神戸の海コン事業者が警告を受けたことで、「本格的な取り締まりが実施されるのでは」と不安視する事業者も存在する。
しかし一方で、こういった取り締まりを全国的に行うべきだとする事業者もいる。「あいまいな部分が存在するために運賃も値下げされるばかり。誘導車配置の経費もきちんと荷主などに負担してもらうことで、適正で安全な輸送が実現できるのでは」と分析する。
今回、神戸の事業者が受けた指導警告は業界の新たな課題になりそうだ。(佐藤弘行)
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