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海貨業者に怒り心頭 コンテナ搬出量など海コン業者に要求
2011年1月20日
大阪市の海コン輸送業者は大手海貨業者の横暴に怒りを隠せないようだ。ことの発端は、海貨業者が新たな取引に対して、搬出料1コンテナにつき1200円(コンテナヤードに支払う料金)と、これに対する手続き業務要員一人(年間200万円程度)を、本来なら海貨業者が行う業務だが一部の大手運送事業者が以前にサービスとして行ったことで、海貨業者が海コン輸送業者に要求する事態が発生しているためだ。
海コン輸送業者は「本来、搬出手続き(対査)は海貨業者など元請け企業が行うもので、われわれ運送事業者に『荷物を確保したければ、その業務を行え』と言うのは優越的地位の濫用で、大きな問題になるはず」と語る。別の事業者でも数年前に、一部の大手運送事業者がサービスの一環として、同海貨業者に対して支店を活用して対査業務をサービスで請け負った。その結果、同海貨業者はそれに味をしめたのか、新たな取引を行う海コン輸送業者にタリフの50%以上の運賃を支払うことをエサに、さらなる取引先を求めていたという。
実際、同社は数年前に同海貨業者の運賃の高さに魅力を感じて、知人の紹介で営業に訪れた際に、同海貨業者から「これまで海コン業者が対査業務については全て請け負っていた。もし輸送取引を行うのであれば、同業務を請け負ってもらうことになる」と指示された。同社は「勘違いも甚だしいとして契約せずに断った。当社が受けなくても、取引する輸送業者も存在するのではと当時から懸念していた。元の状態に戻すには業界にとって大きなダメージを与える」と、最初に無料サービスで対査業務を請け負った大手運送会社を痛烈に非難する。
公正取引委員会では、「独占禁止法の物流特殊指定に触れるかどうか、実際の中身を確認しないと定かではないのでコメントはできない」というが、海コン業者が同業務請負を強要されていたとしたら大きな問題にもつながりかねない。業界関係者は、大きな負担につながる対査業務は絶対に海コン輸送業者が行うべきではないと訴える。(佐藤弘行)
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