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「駐車違反」増加傾向か? 兵庫県では年間2割増
2011年2月9日
「昨年は駐車違反を取られた件数が非常に多かった」。兵庫県や大阪府で家具を宅配するトラック事業者は、そう言って嘆く。ドライバーによって差はあるが、トラック1台につき平均1回は駐車禁止の紙を貼られたのが昨年だった。緑色の制服を着た「駐車監視員」や即時に違反の紙を貼る制度、免許点数こそ引かれないものの、車の所有者に対する「放置違反金」などの制度が導入されてから6月で5年目になろうとしているが、違反件数全体の推移はどのようになっているのだろうか。
高層化した住宅事情、客宅での組み立てが前提となった量産体制の家具業界の事情など、家具宅配の分野では路上駐車との縁が切れる要因は見当たらないという。この事業者がファイリングしている放置違反金の通告書の枚数で数えると、道交法が改定された06年の違反件数は7件。以降、07年も7件、08年は1件、09年は2件、そして10年は13件。所有トラックが13台なので、全てのトラックが1回は駐車違反をした勘定になる。今年もすでに、2件の違反通告を受けた。
事業者は、「1件あたり1万5000円から2万5000円の違反金に加え、車両停止もあり実に厳しい。駐車場や駐車可能区間の整備が進んでいるとは言えず、仕事を普通にこなそうとすれば数十万円分が『税金』として持っていかれる状態」と話す。
年間1、2件だった違反が数倍に跳ね上がったのは、この事業者だけの傾向なのか。阪神間で家電製品の宅配をする事業者も、特に大阪市内を中心に年間20件程度の違反告知を受けている。社長は、「新制度になってから急増している。チョークを持った警官が20分程度の猶予を与えるやり方に戻すだけでも、我々のような宅配業者の違反は激減するはず」と話している。
大阪府警によると、旧制度下の05年の違反措置件数は27万5000件あまり。6月から新制度に移行し、新旧の制度が5対7で入り混じる06年には約37万7000件へと急増し、07年に約50万6000件、08年約46万6000件へと揺り戻しを見せ、09年に約41万3000件に減少した。なお、昨年1年間の数字は、「3月までは公表できない」としている。
一方、隣接する兵庫県では10年の1年間で駐車違反の紙を取り付けた件数は約13万1000件(兵庫県警による)。09年が約10万8000件なので、昨年は2割以上も増えたことになる。家具宅配の事業者の主張が、数字でもある程度裏付けられる結果だ。08年以前は、08年約11万3000件、07年約8万4000件、06年約9万4000件と推移してきた。
昨年1年間の違反取り締まり件数が増えた要因は何か。県警県民広報課は「駐車監視員の数は07年以降、県内で112人と一定している。取り締まりの警官の数も大きくは変わっていない」と話し、人員体制などの影響を否定している。(西口訓生)
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