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第51回:海外送金について疑われ
2011年7月8日
設立して6年目になる会社が初めて税務調査を受けることになりました。会社は社長一人で従業員はいませんが、決算をするたびに毎年赤字です。一度だけ決算が黒字になったことがありますが、社長の給料を最低額にして無理矢理利益を出した、というものです。こんな小さな会社にどうして税務調査があるのか社長さんは不思議でした。
しかし、その疑問も税務署員の質問で理解できました。それは、この海外送金について覚えがありますか、というものでした。税務署員は税務署からもってきた資料を見せ、今から4年前に日本の銀行から海外に向けて社長個人が送金している、というのです。社長はびっくりしました。会社の帳面は真面目に記帳していましたし、税務調査の対象となる過去3年分のことは、どんな質問にも答えられるようにしていたので、全く心配していませんでした。想定外の質問でした。しばらくして、海外で投資の儲け話があり送金したものの、詐欺にひっかかったようで投資したお金は返ってこなかったことを思い出しました。社長はこのことを説明し、税務署員も会社とは全く関係ないことを確認しました。
税務署では、海外送金で会社の売り上げを隠しているのではないかという疑いがあったようですが、調査の結果、追徴金なしで終わりました。
4年前の海外送金の資料が、どういう経路をたどって管轄の税務署にまわってきたのかはわかりませんが、初めて税務調査を受けた社長は、調査というのは恐ろしいものだ、と話してくれました。
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