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クレーマー荷主 運送会社の行き過ぎた対応で増長?
2011年10月5日
百貨店で勤務し、その後、兄弟が営む運送会社で専務を務めている経営者がいる。運送事業も百貨店業界と変わらない状況にあるという。それは「クレーマー」の問題。「百貨店ではクレーマーが訪れると、全社員に分かるよう暗号で注意を呼び掛ける。迷子を装った暗号で、特徴や服装を放送で流す」という。
専務によれば、「もともとクレーマーはクレーマーではなかった。作り出したのは百貨店側。最初のクレーム対応の際、行き過ぎた謝罪などをしてしまったことで、味をしめてクレーマーに変えてしまった」と指摘する。「百貨店ではお客様が絶対。これがクレーマーを作り上げる環境になっている」とし、「運送業界でも荷主や倉庫業者に対して行き過ぎた対応を行うことで、荷主や倉庫業者がとんでもない『クレーマー』となってしまっている」と説明する。一部の荷主では「商品が入った段ボールケースの一部にへこみが発生し、一部返品にもかかわらず、ワンパレット(数万円)の商品買い取りを求められた」という。さらに最近では、トラックにより門のカギを損傷させたところ、カギの修理ではなく、損傷した門すべてを交換するとの請求を受けたという。カギの修理で納得してもらうように交渉したものの、応じてもらえず、その結果、車両保険で門すべてを交換することになってしまった。「荷主・倉庫業者は運送会社に対して言いたい放題。まるで百貨店時代のクレーマーを思い出す」と語る。
荷物を確保するため、運送事業者は荷主の言い分を100%聞き入れてきた。このことで、荷主側は何でも通ると思いこみ、これがエスカレート。荷主と運送事業者との間で「いじめ」のような関係が出来上がってしまった。毅然とした態度を示すことが、荷主と対等な取引をスタートさせる第一歩かもしれない。(佐藤弘行)
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