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    どうなる社保適用拡大 経済界猛反発で先行き不透明

    2012年3月2日

     
     
     

     「社会保障・税一体改革」に盛り込まれた短時間労働者への厚生年金、健康保険の適用拡大が先行き不透明になってきた。小宮山洋子厚労大臣は「非正規雇用者のバックアップは絶対必要」と適用拡大に意欲を燃やすが、2月23日に開かれた民主党経済産業部門会議は「消費税問題も含め中小企業に負担がかかり過ぎる」として適用拡大反対を決議。経済界の猛反発を受け民主党執行部内にも慎重論が出始めており、拡大対象が縮小されるか、または今国会への法案提出が見送られそうなムードになってきた。



     適用拡大については、厚労省の諮問機関「短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」で具体化に向け議論しているが、「平成19年法案」と呼ばれる自公政権時代に作られたものがたたき台になっている。

     政府は、一体改革で平成19年法案と同様の「週所定労働時間20時間以上」(現行週30時間以上)に対象を拡大する方針を打ち出している。13日に開かれた同特別部会では、委員から「働く側で手取りを多くするため就業調整が行われるのではないか」など予想されるデメリットの指摘が続出したが、厚労省は「従業員301人以上の企業で働く年収80万円以上」の100万人を加入させた上で、徐々に制限をなくし、最終的には370万人に拡大したい考えを強調。

     一般報道では拡大対象が「パート」ばかり目に付くが、厚労省案は非正規労働者の「アルバイト」「派遣社員」「契約社員・嘱託」などすべて対象とする計画だ。厚生年金の保険料などは労使折半のため、物流業界をはじめ、こうした人たちを効率経営、コスト削減のため大量に採用している企業にとって新たに大きな負担となる。

     特別部会が開かれた直後から経済、産業界の「拡大反対」要請が相次ぎ、与党内部でも慎重論、反対論が顕在化し始め、「今のところどうなるか全く分からない」(労働省幹部)状況という。

     平成19年法案では当初、厚生年金の適用基準を「週20時間以上」に改めることに絞り込み、対象拡大は400万人を見込んだが、その後、各業界が猛反発した結果?月給9万8000円以上(残業代等を除く)?勤務年数1年以上?従業員301人以上?健康保険、介護保険も同時に適用する――の基準を追加したため対象も10万人増に縮小した。当時、7月の参議院選挙をにらんでの措置とも指摘されたが、結局、審議入りせず廃案となっている。野党国会議員は「自公政権の時と全く同じ流れだ。このままなら廃案になるのではないか」と話している。(土居忠幸)

     
     
     
     
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