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利益率と機動力で 選ばれる中型車
2012年3月8日
バブル経済時の運送業界は、車両が大きくなればなるほど売り上げが高く、4トン車よりも大型、大型よりもトレーラと、鋼材輸送は特に大型化が進んでいた。単体物品専用車に鋼材を満載にし、50トンにも及ぶ積載で輸送すれば1か月に500万円を売り上げていた。しかし、景気の低迷により物量は減少。現在では車両が小さいほど利益率が高い状態に変化しているようだ。
大阪府高石市に本社を構え、鋼材やパイプなどを輸送する運送会社では、大型よりも4トン車や8トン車に力を入れている。同社は「大型も保有しているが、大型では積み合わせをしても、狭いところへの配送が思うようにできない。しかし、4トン車や8トン車は小回りが利くため、狭い現場などにも配送ができる。さらに物流の小口化などから積み合わせを行って機動力を増すことで、様々な輸送が可能となる。大型での近距離・中距離輸送で、1か月の売り上げ100万円に対し、4トン車や8トン車は1か月100万円から140万円と売り上げもさることながら、経費が3割程度安く、利益率も大きい」と話す。また、大型車やトレーラで海コン輸送や鋼材輸送を行う同堺市の運送会社でも、海コントレーラや大型は利益が少ない。1か月の売り上げ100万円程度に対して、4トンクレーン付きトラック、8トン車などの平ボディーでは売り上げ、利益とも大型車やトレーラを上回っている。現在ではトレーラ、大型車の赤字部分を埋めてくれる状態で、4トン車、8トン車のクレーン付きトラックの導入を積極的に進め、大型車との入れ替えを計画している。中型車が売り上げ、利益とも良いことから人気が集まってきているようだ。
鋼材メーカーの元請け輸送を40年以上行う運送会社の社長は、「バブル時のような大型工事も少なく、鋼材などの鉄製品が大量に動く時代ではない。当社でも2、3件の荷受け先に配送するなど積み合わせが多く、1か所で荷下ろしと言う配送が少ない。中型車で回数、件数を稼ぐことで売り上げが上がる」と説明する。燃費、車両費、人件費などを考慮してもやはり4トン車、8トン車の利益率がいいようだ。(佐藤弘行)
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