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損害金は支払うべきか 捜査に協力し納品遅れる
2012年4月10日
警察から事件の捜査協力を依頼され、それに応じたことで荷物の納品が大幅に遅れた。荷物の納品を拒否され、出荷主からは損害金を求められるトラブルが近畿のある運送会社で発生した。
同社ドライバーが、事件現場を走行していたとして、警察から捜査協力を求められた。早朝だったため、納品後に改めて捜査に協力するとしたが、警察には応じてもらえず、結果、指定の納品時間から大幅に遅れてしまった。受け荷主は納品を拒否し、輸送料金はもとより、納品に関する工事費用(荷物の積み下ろし・設置工事など)を出荷主から求められた。同社では、「警察への捜査協力は不可抗力による遅れであり、損害金を求められたものの、どのように対処すればいいのかわからない」と話す。過去には、納品先の工事現場で傭車のクレーン車が故障し、商品の納品ができずに荷物を持ち帰る事態に陥った運送会社がある。「地方から多くのトラックが待機している中で、現場では故障したクレーン車が立ち往生して荷物が下ろせなくなり、結局、当日の納品ができなかった。輸送料金をどの運送会社にも請求できず、工事が止まったことについてもクレーン会社はなんら補償しなかった。例は違うとはいえ、工事中止の事態になっても、クレーン会社や荷主、われわれ運送事業者も『仕方ない』と損害金や当日の輸送料金を請求することはなかった。警察からの捜査協力依頼で納品が遅れ、損害金を求められるのは、どうしたものかと感じる」と話した。
こういった経験をした運送会社は少なく、同社に同情する声が上がる。しかし、荷主の支払いに応じなければならないと考える同業他社もおり、今後、同社がどのような対処をしていくのか注目される。(佐藤弘行)
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