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車両をリースに融資で乗り切る 不景気で新たな資金繰り
2012年4月12日
景気の低迷により物量の減少や運賃の低下、燃料高騰などで、どの運送事業者も厳しい経営が強いられている。このため、必ずと言っていいほど口に出る言葉は「今年は多くの運送会社が倒産する」といったことだ。しかし、その割には倒産の話はあまり聞かれない。この理由をある運送事業者から耳にした。
理由は、償却の終了した保有車両や購入した新車をリースすることで資金を作り出すという方法だ。現在乗っている車両を担保に金融会社から融資を受け、リースとして車両に乗れるシステムがある。トラックを担保に融資(リース)してもらうのだが、金利は13%程度の高利となる。例えば、海コンシャシーで、査定額が1台50万円とすると、10台分の500万円を借り受け、車両の名義はリース会社や金融会社に変更される。また、1000万円の新車ではさらに上乗せした1200万円でリースしてもらい、200万円を資金融資として受け取る。銀行で融資が受けられなくても、高利だが融資でしのげると、運送会社社長は話す。
同社でも、あるリース会社で償却が終了した車両をリース品にし、売却代金を事業用資金として利用、厳しい時期を乗り越えたようだ。また、現在ではなかなか新車が売れないことから、一部では金利で稼ぐリース会社もあると説明する。
しかし、「高い金利で車両をリースしても、車両がなくなれば資金ショートは避けらない。償却が終了した車両も担保としてリース会社や金融会社に取り上げられ、最終的には全ての財産を失うことになるため、息の長い経営は厳しいのでは」と言う事業者もいる。(佐藤弘行)
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