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横行する名義貸し 適正競争は困難に
2012年5月24日
規制緩和に伴い運送事業を開始する企業が増えた。その一方で以前は、実際にトラックが許可取得のための条件を満していなくても、トラック販売ディーラーの売買契約書だけで許可は取得できたが、現在は一部規制強化により実際の車両台数がそろっていなければ取得できなくなった。こういった背景が理由なのか定かではないが、トラック運送許可取得が困難な1台持ちトラック業者は名義を借りて不正に運送事業を営むケースが存在するようだ。
大阪府堺市の運送事業者は「海コン輸送を営んでいるが、社名がトレーラに記載されていない車両が横行し、そのほとんどは、名義借りなどで運送事業を営んでいる。本来、法律では車両のキャビンの窓横付近に社名の記載が必要で、適正に事業を行っている会社は社名を記載している。しかし、名義借りをしている事業者の車両には、社名が記載されておらず、個人で採算性を度外視した形で事業を行っている。また、コンプライアンスも守られないことから、正規許可事業者と同じ土俵で商売するのはおかしい」と話す。同和泉市の海コン輸送業者も「名義貸しの車両を専属で使ってほしいという申し出を受けたことがある。当然、業界を乱す不正行為であるため断ったが、その人物は未だに同じ運送会社で名義を借りた状態で事業を継続していた。実際、泉州方面でも、名義貸しを行って1台5万円程度の名義料を取って海コン輸送を行っている会社が存在する。その会社は過去に名義貸しで行政処分を受けているにもかかわらず、現在も名義貸しを行っている。コンプライアンスを守っている法人企業と、個人でコンプライアンスも無視した業者と同じ条件で競争は出来ない」と語る。
実際に名義を借りている業者に話を聞くと「基準の車両をそろえて事業を行いたいものの資金的な問題から、条件通りの車両台数が確保できるまでは、車両購入のサポートのために名義を借りて行っているのが現状。許可を取得したいが、名義を借りている会社のローン、リースが終了しないと名義が変更できない。名義料の5万円程度ももったいないが、開業できるまでの辛抱で仕方ない」と話す。(佐藤弘行)
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