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仕事減らされ仕方なく値下げ 法令順守を評価されず
2012年6月28日
大阪府堺市に本社を構える運送事業者は「コンプライアンスのためには適正運賃が必要で、適正に収受できなければドライバーへの福利厚生なども適正に行えない。さらに車庫も確保できない状態に陥る。当社は、今はまだ頑張ってコンプライアンスを維持しているが、今後のことを考えると不安だ。業界を挙げて適正運賃収受への取り組みが必要ではないか」と語る。
同和泉市の運送会社でも「先日、荷主に仕事量の減少の理由を聞くと、担当者からは『御社は他社に比べて運賃が2割から3割程度高額で、上司からも仕事は安心して任せられるが、こういった厳しい時期なので、出来るだけ運賃の安い運送会社に仕事を出すように指示され、御社への仕事依頼を減らした』と説明された」という。「長年、この荷主と取引を行っているが、今まで何の大きな事故もミスもなく、荷主からも信頼されていると思っていたが、ここにきて運賃単価で運送会社を選んでいることに大変ショックを受けた。今回、仕方なく初めて運賃を下げることとなった」と明かす。両社とも荷主企業に信頼されているにもかかわらず、運賃ありきで選別されている現状にいら立ち、「コンプライアンスもできず、安全も保証できないままの事業では、いずれ大きな事故やトラブルは避けられない」と感じている。和泉市の運送会社は「長年の取引で安全かつ安心に輸送してきたが、コストありきで考えられるなら、まったく名もない、何も知らないトラック業者でも、今の荷主であれば安ければいいとなり、結果、運送業界も無法地帯に陥ってしまう」とし、「行政や業界団体が厳しく監視して、適正に事業を行う運送会社を守るようにならなければ、運送業界は無秩序な業界になってしまう」と警告する。(佐藤弘行)
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