中国・北京でオリンピックが開催された頃までは日本の鋼材関係も好景気で、鋼材のトレーラ輸送も１か月で２００万円を超える売り上げもあったが、オリンピック終了後は世界的大不況もあって大きく落ち込み、運送会社では仕事確保に厳しい状態となっている。

　大阪府堺市の運送会社でも、北京オリンピックの頃は鋼材輸送で１か月２００万円を超える売り上げを誇っていたが、現在では、大型トレーラで１００万円を切っており、設備投資などの借り入れも存在していることから、厳しい経営を強いられている。

　現在、同社では年末にもかかわらず、ほぼ毎日、午前中に仕事が終了し、夜積みまでドライバーが事務所や車庫で待機する有り様。仕事確保のためにさまざまなところに声をかけているが、一向に回ってこないようだ。

　また、大阪市で大手鋼材メーカーの輸送を行う運送会社でも「30年以上、鋼材輸送に携わっているが、トレーラが１か月１００万円にも満たない売り上げになるとは思ってもいなかった。福利厚生、人件費、車両代、燃料費など全て高騰しているにもかかわらず、売り上げだけは減少しているので本当に厳しい。ドライバーも不足していることから、減車を進めるなどして１台当たりの売り上げを伸ばすしか方法がない」と、鋼材輸送に限界を感じているようだ。（佐藤弘行）