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第139回:欠損金の繰り戻し還付を選択
2013年5月31日
今期の決算で最終の利益が赤字になった会社があります。前期までは、なんとか黒字を維持してきました。しかし、近年の不況の波を被り、とうとう今期は赤字決算となりました。
社長は色々な人に相談しました。すると、税務署には「欠損金の繰り戻し還付」という制度があると教えてもらいました。今期の決算が赤字となり申告所得がマイナスとなる状態、つまり欠損金が発生した場合には、前期に支払った税金から今期の欠損金に見合う額を返してもらえる、という制度です。通常、赤字決算となった場合には二通りの方法があります。一つは、来期の決算が黒字になったときに、今期の赤字である欠損金を来期の決算で通算して来期の税金を計算する方法。もう一つは、前期に支払った税金を返してもらう方法です。しかし、税金を返してもらう方法を選択すると、必ず税務調査が行われます。
社長は、このままでは来期もきっと赤字決算になるだろう、今期の欠損金を来期の黒字と通算する方法を選んだ場合に来期の税金が安くなることはない、と考えました。そこで思い切って今期の欠損金を利用して税金を返してもらう方法を選択した、とのことです。
社長は、決算で税務署に指摘されて困るようなことはしていないとの自信はありました。少々の計算違いをしていても、決算が赤字であるから大丈夫との考えでした。ただ、金融機関の信用はガタ落ちだろうなと、そちらの方を心配していました。 -
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