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    どうなる「共同点呼」 使えるサービスになり得るか

    2013年6月28日

     
     
     

    tenko_0701.jpg 中小・零細事業者にとって深夜・早朝の時間帯の運行管理者、補助者の確保が大きな負担となっている。こうした中、国交省では安全性優良事業所(Gマーク)認定事業所に対し、共同点呼の実施を認める方針を固めた。共同点呼は、営業所間で点呼の受委託ができる仕組みだが、事業者の間では、「点呼のハードルを下げてもらえたことは喜ばしいこと」と評価する声がある一方、「役所の考えと現場の考えの違いが大きすぎて現状では使えない」と否定的な声もある。国交省では7月に通達を出し、10月にも施行する予定としているが、果たして「共同点呼」は、Gマークのインセンティブとして事業者が「使える」制度になり得るのか。



     Gマーク取得者に認められる共同点呼は営業所間での相互受託が基本だが、1営業所が複数の営業所から点呼業務を受託することも可能。ただし、1営業所が複数の営業所に点呼を委託することはできない。「ドライバーを混乱させかねない」(貨物課)ためだ。

     共同点呼では、運行前点呼を行う場合、ドライバーはまず自社(委託営業所)の車庫に行きトラックの日常点検などを行う。その後、受託営業所に向かい、日常点検の結果を踏まえて点呼を受け、自社に戻り、初めてトラックに乗車できる。

     一方、帰着点呼の場合は、自社にトラックを置き、その足で受託営業所に向かい、乗務記録の確認・報告をし、点呼を完了させる。点呼が終了すれば委託営業所に戻る義務はないが、多くの場合、報告のためにドライバーは自社に戻ることになる。受委託点呼の実施場所と委託営業所の車庫との距離は5?以内とされる予定。

     現場での反応はまちまちだ。埼玉県川口市の事業者は、「突発的な仕事で運行管理者が仕事に出てしまうこともある。そうした場合に点呼を委託できるのであれば役立つかもしれない」と評価。同志木市の事業者は、「トラックの確保が難しくなっている中、共同点呼を受託することで、傭車確保の手段の一つになるかもしれない」とし、同所沢市の事業者は、「共同点呼の普及によって、M&Aが進む可能性もあるのではないか」と指摘する。

     一方で、東京都足立区の事業者のように、「一度点検してから離れた場所まで点呼を受けに行き、それから戻ってトラックに乗るということは、一分一秒を争う現場では考えられない。現状のままでは使えないのではないか」と指摘する声もある。同江戸川区の事業者は、「自社の対面点呼でも体調まで見抜くのは難しいのに、日ごろの行動が分からない中で他社に点呼を委ねて大丈夫なのか」と疑問視し、「ドライバーの引き抜きにつながる」「荷主情報が漏れる心配がある」といった声も聞かれた。

     国交省では、「どこの会社の」「どこの荷物」という情報は受託営業所には開示しない方向で進めており、「あくまで労務管理、安全確認のための制度なので、何時に運行開始して、どのくらい走ったのかがわかればよく、荷下ろし場所を開示するかどうかもまだこれからだ」としている。これに対して同大田区の事業者は、「事業内容に踏み込まなくてもいいといっても、きちんと点呼業務を行うためには運行指示書の内容まで知らなければならないはず。受委託者間できちんとルールを決めるなどの対策が必要だ」と指摘する。

     共同点呼を利用するにはGマーク取得が必須条件で、取得できなければ、その土俵にすら上がれない。そのため、東ト協では「点呼の機会を拡大できないならGマークのインセンティブにしないほうが良い」とし、「インセンティブとするなら、委託営業所の取得は条件から外し、点呼業務を受託する営業所が取得していれば共同点呼ができるようにしてほしい」と要望する。

     
     
     
     
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