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運賃値上げ交渉 いつ言うの? 今でしょ
2014年1月6日
燃料価格が高止まり状況にある中、とりわけ長距離輸送を中心に運賃単価が上がる傾向も見られるようだが、今年4月からの消費税増税を控え、運賃の値上げを荷主に働きかける動きが昨年終わり頃から見られている。「値上げするなら年内。この時期しかない」と昨年末までに一通りの値上げ交渉を終えて一定の手ごたえを感じた事業者もいれば、値上げ交渉に応じない荷主の仕事を断るといった強気に出るところも出てきている。
車両20台で近中距離輸送を中心に事業展開している大阪の運送会社社長は昨年12月中、運賃値上げ交渉に走り回っていたが、交渉の期限は年内と決めていた。「消費税が上がってから運賃の値上げを働きかけても、荷主にとって気分的に『消費税も上がっているし』と否定的な雰囲気になってしまう。1月、2月に交渉しても消費税が上がる直前なので交渉のムードではない。交渉するなら年が変わるまで」と説明する。複数の燃料ディーラーから送られてきた燃料高騰の資料を添付し、独自に原価計算した資料を作成し、得意先を回って運賃アップのお願いを行った。 取引額が小さい取引先から回って交渉したが、感触は悪くなかったようだ。社長は「『この部分には応じるが、この部分には応じられない』とすべてがすべてではないが、大方の取引先が燃料高の状況を理解しているのか、要求を飲んでくれた」と話している。
一方、運賃交渉に強気に出て、取引中止を願い出るところも。関西のある運送会社では、取扱業中心の大手運送会社から関東行きの定期の仕事を請け負っていたが、やはり燃料高で経営環境の厳しさに拍車がかかっていた。2年間続けていたが、その間、延着、荷物の破損、荷主からのクレームは一切なかった。そんな仕事に対する自信があったからこそ運賃交渉に臨んだという。
昨年11月初めに交渉を行ったが、大手運送会社の若い主任の返事はノー。「こちらも厳しく、要求には一切応じられない」と突っぱねてきたという。高飛車な態度に腹を立てた運送会社社長は11月末で仕事を切った。「朝早く出て夜遅くまで仕事をノーミスでやってきた。運賃を5000円上げてくれ、とは言っていない。例え500円でもいい。気持ちの問題だ」と声を荒らげる。
昨年末は増税前の駆け込み需要や減車の反動もあって、例年になくトラックが不足する状況になったが、実際にトラックを止められると思ってなかった大手運送会社主任。後から慌てて「12月だけなら運賃を上げてやってもいい」と言って来たが、同社長は断ったという。
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