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燃料価格の高騰 繁忙期でも長距離断る
2014年1月20日
運送事業者は、軽油価格がリッター130円を超える価格帯となり、多忙を極めている現在でも、まったくと言っていいほど利益は得られないという。特に長距離輸送に関しては、自主的に行わない事業者も存在するほど、「走れば損」との考えが発生しているようだ。
大阪府和泉市で雑貨輸送を展開し、約100台の車両を保有する運送A社でも「昨年12月初めまでは燃料価格がリッター125円で、関東や九州などの大型車の長距離輸送を展開していた。しかし、昨年末から年明けにかけて再び燃料価格が10円近く値上がりしたことで、運賃上昇が望めない輸送は断っている」と話す。さらに、「昨年も大手物流会社から長距離輸送を依頼されたが、大阪から関東まで大型で20万円を提示。それで依頼がなければと思っていたが、年末の繁忙期のためか、その運賃で了承。請求については上司の手前、20万円を大型2台で輸送した状態で請求してほしいと求められた。はっきり言って1か月1万キロ走行して180万円や200万円と言われても、車両の保全、使用年数、燃料価格の急激な高騰を考えれば、長距離は走れば走るほど赤字になる」と語る。
同堺市で鋼材輸送を展開する運送B社も、「今までに経験したことのない燃料価格高騰で、数年前から長距離は一切断っている。トレーラでの鋼材輸送だが、燃費も大型車と比較して半分以下と非常に悪い。鋼材も運賃の大幅な上昇が望めないため、当社では1か月で5000キロを超えるような輸送は断っている」と語った。
このため、同社のトレーラは1か月平均で5000キロ程度。それでもリッター2キロの燃費で2キロ500リッターの燃料を消耗し、燃料費だけで30万円を超える。「1か月130万円の売り上げでも距離が少なければ燃料を消費しないため、売り上げよりも走行距離を減らして利益を得る考え。長距離で売り上げ重視の考えは一切行わない」と話した。
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