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運賃交渉の裏に元請けの欲深い手口 安い業者の運賃口実に
2014年9月12日
危険が多いといわれる海コン輸送だが、トレーラヘッド1台でシャシーを借り受けて参入できることから、規制緩和と共にト協の海コン部会にも入会しないまま参入してきた海コン輸送業者も多い。PSカードの申請事務所で自ら名義借りや償却制であることを明かすドライバーもいるなど、一部では無謀な海コン輸送業者もいるようだ。一方で、社保・厚生年金加入、コンテナふ頭付近での車庫確保など、適正に事業を行う海コン輸送業者も存在する。コンプライアンスを守る海コン輸送業者は運賃値上げを願っているものの輸送需要は高まらず、いまだ運賃の値下げを求めてくる元請け業者もいるようだ。
大阪府堺市に本社を構える海コン輸送業者も、元請けの欲の深さにつくづく嫌気が差しているようだ。同社は、大手元請け海コン輸送業者から依頼を受けて輸送を展開している。しかし、最近になって仕事が突然回ってこなくなったという。同社社長が元請けに尋ねたところ、「現在、同社より2000円運賃が安い他の海コン輸送業者に仕事を斡旋している」との回答。同社は今まで繁忙期などで元請けに貢献してきたことを訴えると、元請けは「同等の運賃値下げは気を遣うので、間を取って1000円の値引きでどうか」と、結局は値下げの取引を求めてきた。
同社社長は「忙しい時は神頼みのように切実に依頼してくるような元請けだが、暇になると少しでも運賃の上前をはじきたい欲望にかられるようだ。手当たり次第、安い運賃の海コン業者を求め、繁忙期に貢献した事業者の運賃値下げの材料として使う。適正に事業を行う海コン輸送業者の運賃を少しでも値下げさせようとする手口に本当に嫌気が差してくる」とうんざりしているようだ。
しかし、現実は仕事がなければ運送事業も成り立たない。同社でも「気持ちは腹だたしいが、今に繁忙期が来た時にはこの元請けに対して非協力的な仕打ちをしたい」と語っていた。元請け、下請けも労使関係と同じく、共に安定、繁栄できる関係を築き上げることが大切といえる。
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