基準となる日車数に違反車両数が掛け算されることで、予想以上の厳しい行政処分につながる「３か月点検漏れ」の事情は、残念ながら数年前に中国地方の運送会社が受けた実例によって再認識された感じだが、それが日常点検となると話は変わる。ディーラーや整備工場などの専門業者に頼む３か月点検とは違い、ドライバーが乗務前にトラックの様子を見て回る格好の日常点検に費用はかからないものの、おざなりに済ませる現場の姿が目に付く。行政処分の内容は同様に厳しいが、それ以前に安全確保の面も問題だ。ただ、法が求める手順に従おうとすれば矛盾が生じ、結果として「必要書類を整える」ための流れ作業に陥った実情が浮き出る。

　自分の運転するトラックが走行中の故障で事故につながった場合、その原因を日常点検のチェックで見つけることができていれば…との後悔は大きい。立ち位置を変えれば、そうしたトラブルを起こした責任は間違いなくドライバー、さらに整備管理者が問われることになるだろう。（詳しい内容は、物流ウィークリー３月２３日号に掲載しております）