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射界
2016年6月20日号 射界
2016年6月24日
偶然に成功することはあっても、偶然に失敗することはない…とは、企業経営者の間で語り継がれる警句である。失敗には、失敗するだけの原因(理由)が必ずあるからだ。仕事は全て結果で評価され、その過程については問われない。失敗した仕事をつぶさに解析すれば原因は確かめられ、偶然の所産でないと分かる。
▲ある意味、仕事で経験する失敗は「自分の財産」に昇華できる人と、そうでない人に分けられる。人はともすれば「出たとこ勝負」的に走りやすい。そのほうが楽だからだ。予定もなく思いつきで仕事に取り掛かる傾向にあるが、これが習慣となっては、仕事の失敗原因を探そうとしても、軌跡解析できないどころか、原因に思い至ることもできず、ましてや「自らの財産」などには育てられない。▲プロスポーツを例に考えれば理解が早い。野球やサッカー、相撲の世界で、人気のある選手や強い力士は幾度となく繰り返す「失敗の数々」を、自らが成長する「財産」に生かし、その上に持てる実力を築き上げてきている。アマチュア時代に発揮した実力がプロの世界で通用するとは限らず、プロとして成長する過程で味わう多くの失敗を克服し、その上に真の実力を鍛え上げるのがプロだ。
▲プロ野球でホームランか3振かという「一発屋」が人気を博す例もある。しかし、一般的に仕事の場では必要とされない。仕事の性質から「オール・オア・ナッシング」では困るからだ。これを許すと「独りよがり」になって企業としての組織力を阻害することになる。おしなべて仕事には多少の失敗はつきもの。失敗を自らの「財産」にするプラス思考こそが大成を促す大きな力となる。
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