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ブログ・川﨑 依邦
中小運送会社の経営改善の記録(9)グリーン経営認証を取得する
2012年8月31日
グリーン経営の取得目的は何か。平成20年11月25日に実地審査を迎えて認証取得する。そこまでのプロセスは激動の3か月を経て、本格的に同年3月からスタートする。
目的は燃費効率アップを継続的に行える企業風土を構築すること、環境時代におけるトラック事業者として成長を遂げることである。真の目的は組合員、元組合員、非組合員と分裂している状態を打破するところにある。グリーン経営の認証取得というゴールに向かって気持ちを一つにすることにある。毎月1回の全体会議で研修を行い、進めていった。まず日常活動として燃費10%向上を目指して次の具体的行動を実践する。?乗務員一人ひとりが日々の燃費を確認し、意識の向上を図る。
燃費管理表の記入である。「口で言うのは簡単だが、ドライバーに日々、燃費管理表を記入させるのは大変でした」。実務責任者の常務の言葉だ。「なんでこんなことをするのか」と反発するドライバーを説き伏せて実行していく。帰社後の5分間が勝負である。すぐ帰ろうとするドライバーを引き止めて燃費管理表を記入させる。?管理部門一人ひとりが環境意識の向上を図る。
環境についての情報収集に努め、定例的に月1回勉強会を開く。?車の点検・整備
黒煙チェック・エアフィルターの清掃、タイヤの点検をする。エンジンオイル・エレメント交換の基準を設けて実施する。日々の点検による異状への気付きをするために点検・整備シートを活用する。?エコドライブの実践
ディーラー、各業者を招いて研修会を実施する。エコドライブ教本をドライバー全員に配布して月1回の全体会議で研修。?管理部門
不要な電気の消灯、空調の適正温度の設定をする。ゴミの削減を徹底する。以上の?〜?を実行することとする。
運送業にとって一番大事なことはドライバーの物流品質力である。荷主に信頼されるドライバー、事故ゼロ、クレームゼロを実現するドライバーを育成していくことである。そのために日々、ドライバーに働きかけていくことである。燃費効率向上を旗印とし、グリーン経営の認証取得に向かってドライバーに働きかけていくことである。当時のプレジャーはドライバーは14人、全員ダンプドライバーである。「ダンプ会社でグリーン経営なんて必要なのか」という反発を乗り越えて進めていく。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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