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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(49)営業改革実践シリーズ17
2014年3月28日
?人材ビジネス進出で本業(運送業)の経営活性化実践事例
■収支把握と営業活動人材ビジネスに限らず、運送業やサービス業においても成功のポイントは日々の収支把握である。1日1日儲かったか儲かっていないのかを目で見ることが大切である。月末時点で儲かったかどうかを把握するより、日々リアルタイムで把握することで、毎月の収支目標の達成に向けて具体的施策をどうするか? などの検討を行うことができる。
人材ビジネスの日々収支把握の全体像は、(A)1日の総売上額(B)スタッフ支払額=(C)粗利額─(D)管理費(営業費・人件費・広告費)=(E)営業利益となる。最初は1人の派遣からスタートする。当然、1人の派遣のみでは営業利益は日々赤字となる。日々収支をつけることで、あと何人派遣できれば黒字化するのか、派遣単価を何%アップさせればよいのか? 粗利率をどれだけ確保すればよいのか? が見えてくる。数字を管理することが経営管理につながっていく。
一般的に人材ビジネスを新規事業として展開する際の一つの指標として、事業メンバー2人体制であれば、日々10人派遣を実現することで営業利益は黒字化する。売り上げ300万円体制が損益分岐点である。決して不可能な金額ではなく、十分実現可能な数字になっている。人材派遣ビジネス成功のキーワードは、【継続する強い信念】と【日々収支】。運送業が進出する人材ビジネスの営業においても、相乗効果を発揮することができる。
人材ビジネスの営業においては、ドライバー派遣など人材のニーズを探ることが中心になる。物流業・運送業が展開する営業活動は、荷物の確保である。荷物の確保へ向けての営業活動において、人材ビジネス営業と絡めてドライバーは自社の派遣ドライバーで、車両は荷主持ちというような業務モデルがある。燃料代・車両維持費の負担を考えると、こうした受注パターンも大いにメリットがある。営業活動の考え方は、ある一方の考え方だけに固まらずに多方面から顧客提案できないかを考えることである。新規ビジネスと既存ビジネスの共存は、新規事業立上げの際の動機付けにもなる。営業活動の基本スタンスは、『転んでもタダでは起きない』というアグレッシブな営業姿勢である。
新規部門を立ち上げていくチャレンジ精神の発揮が求められている。人材ビジネスへの進出は中小運送業にとっては取り組みやすい。「人」をキーワードとしている点で運送業と同一だからである。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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