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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(50)営業改革実践シリーズ18
2014年4月4日
?見える化シートで営業意識・コミュニケーション充実事例
営業案件について「話がうまく進行しなかった」「仕事発生はまだまだ先の話だった」というような受注の可能性が低い案件は頭の記憶だけに留めてしまい、日々の業務に忙殺されているうちに記憶の彼方に流れてしまっていることがあるような気がする。運送業は在庫が持てない業種。営業案件の在庫はできるだけ記録に留めること、そしてその情報を社内全員が共有できる仕組みを作ることが必要である。この仕組みが「見える化シート」の活用。見える化シートは、社内全員が営業案件について共有できる営業共有ツールである。近代的にPCを使いこなして共有フォルダや社員専用ページがある会社なら、見える化シートは必要ないかもしれない。しかし我々運送業の大半は、顔と顔を突き合わせながら今日1日の動きや問題などを話し合うというコミュニケーション方法を行っている会社が多いのが実態である。それでも自身が抱える問題や不安を社内全員に伝えるのは至難の技であり、特に営業案件となると尚更である。そこで活躍するのが「見える化シート」である。
例えば、あるメンバーの1人がAという運送案件を抱えて車両手配で悩んでいたとする。周りの営業マンや社内全員に相談できればよいが、まとまって集まる場でない限り一人ひとりに相談していると時間がかかってしまう。しかも一度相談しただけで相談相手がすぐに動くとは限らず、翌日には忘れてしまっていることもある。「見える化シート」を活用すれば、何度も見るので記憶が蘇える。
情報を共有することで、「あの案件はどういう案件なの? ○○のような車があるけど、この仕事はできないかな?」というようなコミュニケーションの機会が広がっていく。運送業はドライバーと管理職、営業担当者同士など社内全員のコミュニケーションが経営活性化のキーワードだ。
見える化シートによって全社員(とりわけ管理職)の気持ちを一つにすることができる。気持ちを一つにする。ベクトルを合わせること、まさしく経営活性化の大原則である。日々の仕事に流されていくだけではならない。見える化シートによってやる気を奮い起こしていく。あとひとふんばりの努力を継続していく。コツコツと当たり前のことを当たり前に継続、実践していくことで、生き抜いていく。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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