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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(58)経営活性化シリーズ6
2014年5月30日
?足元を固める─ 朝礼・終礼システムを確立して業績アップ
物流作業は、『ただ何となく仕事をこなす』『とりあえず運転する』という気持ちでは、採算性は向上しない。日々、どうすればもっと効率が上がるのかを考えながら作業することで、作業が改善され、効率も上がっていく。しかし、日々の業務に忙殺されて中々考える余裕がないのが中小運送会社管理者の実態である。事故報告書、配車、クレーム対応、売上管理、雇用管理など、ありとあらゆる課題と直面しながら日々活動している。『毎日の業務に忙殺されているから何も出来ない。時間が欲しい』と嘆いているだけでは、管理者として、経営者として会社を前に進めることは難しい。そのような状況下で、【作業を改善する・効率を上げていく・会社を良くしていく】ためにはどうすれば良いのか。そのきっかけは、朝礼と終礼にある。
運送会社A社では、幹部メンバーが毎朝6時に朝礼を行う。朝礼の中身は各自の予定を確認することで、誰がどのような業務を抱えているのかをそれぞれが把握する。そして、必ず社訓を唱和する。時間にして約5分間。終礼では、社内推奨本を輪読した後、各自の本日の省み(反省)と翌日の予定を確認して社訓唱和で締める。これは15分間である。
たったこれだけのことで、業務効率は数段アップする。理由は、各自の頭の中で考えていた予定や直面している課題などを口に出すことで、その言葉に責任感が出てくる。自分の頭の中だけで考えていたのでは、もしそれが出来なかった時に言い訳を考えて自分の中だけで完結させてしまう。口に出すことで自分が抱えている未決事項・課題は中途半端には出来なくなる。それぞれが自分の言葉に責任感を持てば業務内容は濃くなり、会社にとってプラスになっていく。
これは、物流現場にとっても同様である。朝礼で本日の出荷目標や検品目標をパート社員を含めた全員で確認する。終礼では、朝礼で掲げた目標に対して実績がどれだけで目標との差がどれだけあったのかを全員で確認し、目標に届かなかった日はなぜ届かなかったのか原因を究明し、改善策を考えて翌日の作業に生かしていく。朝礼と終礼で実績や目標を発表するのは社員だけではなく、パート社員も行う。まさに日替わり班長制度である。
会社の業績を上げるためには、物流現場である管理人員の業務効率を上げていくこと。そのためには、朝礼・終礼システムを確立させることが必要である。ベクトルを合わせるには朝礼と終礼が大切である。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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