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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(75)経営活性化シリーズ24
2014年10月9日
(24)管理者育成のキモは、経営配車の実践にあり
「中小運送経営者の右腕に求められる能力」は、?経営配車を実践出来ること?営業力があること?労務管理(個人面談・安全会議)を任せることができること、の3点である。???までを対応できるメンバーが、信用できる右腕となる。経営者の右腕に求められる能力の第一に挙げられるのは、経営配車能力である。大手運送業の場合は、自社で物量も確保できているケースが多く、運行指示もあらかじめ決められたルートで運行することが多い。しかし、中小運送業の場合は必ずしもそうでないことが多く、その都度、より効率の良い配車〈すなわち運賃が上がり、運送経費(燃料、高速)を抑えることができて拘束時間を削減する効率良い配車〉を求めて配車指示を飛ばさなければならない。実車率まで意識した配車を実践する意識があるかないかだけでも大きな差が生じる。「トラックが走行している間は出来るだけお金を生んでいる状態を作り上げていくんだ」という意識を浸透意識で持っている配車管理者は、普通の配車担当者よりも間違いなくレベルが高いのは言うまでもない。
実車率を高めることで、ドライバーの給与にも良い影響が出るということが中小運送会社の実態である。時間で稼ぐという考えを捨てて、より効率を求めて費用対効果を追求し、拘束時間と運賃のバランスを考えていかねばならない。
経営配車は、営業にも労務管理にも関連していく。経営配車を実践することで、運行実態についての課題、問題意識が生じてくる。例えば、「この荷物だけでは、運賃と拘束時間を考えると割に合わない。うまく積み合わせ、組み合わせできる荷物を探さないと」。これは営業活動のモチベーション、同時に労務管理にもつながっていく。
(例)『A君は今月効率よく運行できて売り上げが上がっている。B君は私用の休みがあったのもあるけど、売り上げが上がっていないな。個人面談して休まないように注意しないと。月末にかけてプラスアルファで頑張るように話さないとダメだな』
経営配車に取り組むことが、営業や労務管理の原点である。営業や労務管理は経営者だけの役割ではない。管理者メンバーが経営者同様に問題意識を持っているかどうかで会社の業績にも大きく影響していく。
経営配車の具体例的な進め方は、?実車率を出すこと ?勤怠管理をきめ細やかに ?車両別売り上げ状況をできるだけリアルタイムに把握すること、の3点です。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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