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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(85)経営活性化シリーズ34
2015年1月5日
(34)中小運送業の右腕に求められる能力
経営者一人では成長力に限界がある。経営者がいなくなるとそれまでで、企業の命運が尽きてしまう。右腕の存在を必要とするゆえんである。経営者の目標、志を共有していく右腕の存在が重要となる。そのためにはどうするか。右腕を発掘し育成することである。右腕の能力を発掘し、磨いていくことである。中小運送経営者の右腕に求められる能力は、3点ある。
?経営配車を実践出来ること
?営業力があること
?労務管理(個人面談・安全会議)を任せることができること経営者の右腕に求められる能力で、営業力は必須である。数字を持ってこない管理者は、現場実務者であって、経営管理者ではない。自らが営業をして売り上げを取ってくるというマインドと実績が必要になる。そうした営業力を身につける手段は地道な積み重ねしかない。営業活動の記録を積み重ねることである。定期的に実施する営業ミーティングで営業活動状況(営業訪問件数、交渉記録、進捗)を確認することである。その積み重ねが営業力の強化につながる。
経営配車実践によりドライバー給与を掌握して労務管理に生かしていく。ドライバーの労務管理をするためには、給料を確保する=つまり、利益を上げる配車をしなければならない。利益を上げる配車をするためには、営業努力による組み合わせ、積み合わせ配送案件を獲得してくることが必要である。
?経営配車?営業力?労務管理…三つのうち、どれが欠けても経営管理者としては不十分である。「配車はするがドライバーの給料は分からない、興味がない」「営業は頑張るけど、それをこなすのは配車マンの仕事で自分には関係ない」。これではいけない。台あたり収益を高める努力を継続し、そのための営業活動も継続する。ドライバー給与を掌握しているんだという自覚と責任感をもって経営配車を実践する。このサイクルを継続する中で、いくつもの修羅場(ドライバーとの衝突や配車の失敗など)を経て経営管理者は育成されていく。
「いざとなったら社長に任せればいいや」「自分には関係ない」という考え方ではなく、「社長がいないなら自分がしっかりしないといけない」「自分も経営管理者の一人だ」という高いモチベーションを持つことができる者だけが経営管理者=経営者の右腕になり得るのである。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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