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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(89)経営活性化シリーズ38
2015年2月12日
(38)従業員と向き合う
多くの人をまとめるリーダーシップを発揮するためには、従業員と向き合うことが必要である。経営者が従業員と向き合う方法の一つに個人面談がある。ドライバーとの個人面談では、安全・売り上げ・給料・配車・経費・燃費・健康など、日々の運行(仕事)を通して経営方針や配車方針を浸透させていく。個人面談のペースは経営者・管理者が1か月に1回が望ましい。中には社長自身がハンドルを握って配車もするという会社で、月1回時間をとることはなかなか難しい場合でも、最低2か月に1回ペースで会社の実態に即して進めていく。
管理者との個人面談では、個人目標管理シートに沿って3か月に1回ペースで、進捗について進めていく。個人目標管理シートなどがない場合は、管理者に求めること(営業・経費管理、労務管理など)、現時点ではどれくらいまでできているのかなどをメンバーそれぞれの実態に即して面談していく。会社全体の収益が黒字というのが大前提であるが、個人目標管理シートの達成状況に応じて管理者の成果給や賞与を決めていくように連動していく。
個人面談システムは、朝礼・夕礼・経営会議・安全会議といった定例的に行うものと合わせて、企業のコミュニケーションツールである。コミュニケーションの積み重ねが経営者の考え方を管理者へ、ドライバーへと浸透させていく。従業員と向き合うことは、経営者にとってはあまり聞きたくない内容(給料をもっと上げて欲しい、こういう仕事は大変だから無理だ、配車の効率が悪いなど)が出てくることもある。しかし、それらの声にも一つひとつ対応していくことである。このように従業員と向き合うことを軽視したり全くしなかったりすると、不平・不満だけが積み重なって労務管理上のトラブルに発展していくこともある。
経営者の考え方を従業員が理解して、それらに沿った動きをすることはなかなかあり得ない。しかし、あり得ないからといって諦めるのではなく、経営者の考え方(方針)を理解してそれに沿った動きをしていくように対話(コミュニケーション)を通じて浸透させていく努力もまた経営である。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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