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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(118)経営活性化シリーズ67
2016年7月14日
(67)胆雪埋井=誰にも負けない努力をしよう
「自分の能力をはるかに超えることを求められる環境に身を置いた時に初めて人間は成長していく」(鍵山秀三郎…イエローハット創業者の言葉)。はるかに超えるとはどういうことか。「胆雪埋井(たんせつまいせい)」という言葉がある。「雪を担いで井戸を埋める」ということである。雪であるから必ず水(井戸)で溶ける。埋まることはない。全くの徒労である。これは禅の言葉である。「必死になって努力し続けよ。そのプロセスが人間修行である。井戸は埋まる」とのメッセージである。
運送業の日々も、会社を良くし、ドライバーを教育し、無事故、ノークレーム・ノートラブルの実現は「胆雪埋井」である。「いくらやってもドライバーは育たないよ。ダメなドライバーはいつまでもダメだよ」「無事故、ノークレーム・ノートラブルの実現は見果てぬ夢だ」と諦めてはならない。
「千日回峰(せんにちかいほう)」という修行がある。千日ひたすら歩く。眠らないし、食事をしない日もある。生死を賭けた修行である。このプロセス(修行)は努力し続けることの重みを教えてくれる。修行の果てに「仏」を感得する。まさに「胆雪埋井」に通じる修行である。
日々一生懸命に働くこと、このことが精神的報酬である。単に給料を稼ぐわけではない。働くことそのものの中に修行がある。修行によって会社と、そこで働く一人ひとりの成長がある。必死になって全力で持てる力の全てを出して日々働いているか。胸に手をあててみよう。まだまだ努力の足らざることに気付くはずである。一日一生の如く、全力を出し尽くした日々を送っているか。胸に手をあててみよう。まだまだということに気付くはずである。「私は天才ではない。もし天才という言葉を使うとするならば、私は努力し続ける天才である」。大リーグで活躍しているスーパースター、イチローの名言である。野球道という修行僧の言葉の如く聞こえてくる。
運送業は大変な日々の連続である。無事故、ノークレーム・ノートラブルは見果てぬ夢かもしれない。「胆雪埋井」と肝に銘じることである。努力し続けることである。このことが精神的報酬となる。会社と人の成長を成し遂げていく道である。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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