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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(122)経営活性化シリーズ71
2016年8月12日
(71)ムリ・ムラ・ムダの3ムをなくすこと
油断してはならない。刻一刻と景気の先行きが不透明化している。運送収入の低迷が忍び寄ってきている。ドライバーの給料はじわじわと上昇している。原因は社会保険料のアップやドライバー不足による。加えて労働時間の規制がある。1か月80時間を超える時間外労働については労基署の立ち入り監査がある。さらに燃料費が上昇しているにも関わらず、運賃は低迷している。そうなると自車収支でプラス(黒字)を確保することが厳しくなってくる。
自車収支とは、?運送収入–?ドライバー労務費–?燃料費–?車両費(税・保険料・減価償却費・リース料・修繕費・車検代・タイヤ代)–?有料代–?その他(制服代・車庫代・伝票代・健康診断費用など)=?売上総利益–?販売費及び一般管理費=?営業利益–?営業外費用(支払利息)=?経常利益のことである。経常利益がマイナスである企業の割合が増えている。
運送業は三重苦に喘いでいる。ドライバーの不足、コストの高騰、コンプライアンスの重圧である。経営改善の道を突き進むしか三重苦を跳ね返していく道はない。経営改善の基本原則とは次の通りである。
◆ムリ・ムラ・ムダ=3ムをなくしていく
トコトン経費を切り詰める。販管費に含まれる電気代、交通費、交際費なども例外なく切り詰めていく。通信費も削っていく。人員や車両の体制を再構築していくことである。やる気のないドライバーや管理者には心を入れ替えて、時には断固としたリストラ=再構築が求められる。経営者の覚悟が問われている。経営改善は経営者の強い意志で成し遂げられていく。自分1人になってもやり抜くというぐらいの経営者の強い意志が経営改善を成し遂げていく。
ムリ・ムダ・ムラはまず心の持ち方から変えていくこと。心のリストラである。心=意識に油断や甘え、なんとかなる、ぬるま湯に浸っている。この心を削っていくことである。心のリストラということである。ピンチに直面して意識改革をすることが経営改善の道に進む根本である。
3ムをなくすことは知恵と工夫がいる。現状に甘んじているとムリ・ムラ・ムダの山に沈んでしまう。心の持ち方も強くし?必ず生き残る?との執念を発揮する。1か月25日稼働するとして、毎日1000円の経費を切り詰めるだけで年間約30万円が浮く。運送業の営業利益率を3%とすると30万円÷0・03=1000万円となる。つまり30万円の経費削減は1000万円の運送収入を上げることと同じである。千里の道も一歩から。ムリ・ムラ・ムダの3ムをなくしていくことである。 -
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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