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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(131)経営改革実践シリーズ(6)
2016年11月4日
〈必死のリストラ〉
役員報酬は、社長が年収500万円、配車係の叔父も役員で500万円ということで、計1000万円である。「この役員報酬も苦労に比べると低いですね」
勤続年数5年以上のドライバーは13人のうち8人、61・5%を占めている。平均給与は33万円(賞与込み)、年収で400万円弱。5年未満のドライバーの平均給与は27万円(同)、年収で320万円。本人からの強い要望ということで、5人が社会保険に未加入である。
給与体系はほぼ固定給で、勤続により差がついている。従って、5年未満は5年以上の80%の給与水準となっている。ギリギリの経費構造、決して高くない役員報酬と乗務員給与の水準でありながら2期連続の赤字である。
とにかく運送収入が悪い。売上高は前年と比して20%ダウンしている。乗務員の人件費も前年と比べて27%ダウンさせている。売上高が20%ダウンして、乗務員人件費が27%のダウンであるから、必死のリストラ実施がうかがえる。
それでも営業利益はマイナス8・4%。自己資本率とは、総資産に占める割合である。借入金比率も総資産に占める割合である。収益率が弱く、借金依存の会社である。なお、細かい経営数字の分析は表を参照されたい。<経営数字分析表>
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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