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射界
2018年1月29日号 射界
2018年3月9日
「士気」と「自惚れ」を混同してはいけない。ともすれば自惚れが高じて自分では「士気」が上がったと錯覚することさえある。そもそも「士気」とは人間としての誇りと定義したい。業績悪化を憂いて回復を求める。その際、責任者としては「士気」の向上を求めるのが当然の考え方である。
▲「士気」の反対は「傲気」であるが、この言葉の意味するところは「人を凌ごうとする気持ち」とでも定義しよう。「傲気」の持ち主はとかく、上下の別を弁えず、少しでも上の地位を狙って立ち居振る舞いをする傾向が強い。下の者にはやたら威張りたがり、地位を狙って、自らの責任を果たそうとしない。一番の被害者はそんな上司に仕える人たちであろう。
▲就職に関連して「会社の選択はできても、上司を選ぶことはできない」と、よく言われる。毅然として何事にも対処する上司に出会うかどうか、こちらからの選択は難しい。それゆえに、やたら威張りたがる上司に迎えられたら災難である。そんな雰囲気を心配して古い指南書は「士気は無かるべからず。傲気は有るべからず」と警告しているので心したい。
▲ここで用心したいのが冒頭の言葉だ。「士気」と「傲気」を混同して自惚れに埋没し安住しては、「士気」の向上どころかジリ貧傾向を強めて自滅の道を歩むことになる。言うまでもなく、薄っぺらな「誇り」は自己満足でしかないと深く自覚すべきだ。こんな輩(やから)が横行するのが現世。うかつに相手の虚像に惑わされないだけの力を備えて歩みたい。
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