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ブログ・鈴木 邦成
裏コストの発生に注意!
2009年5月6日
大型連休も最終日となりました。
しかし今年は不況の影響もあり、製造業などの中には、工場の生産調整の必要などもあり、5月10日くらいまでお休みという会社もあるようです。
「不景気なのに大型連休」という逆説
今年は「余分なコストをいかに抑えるか」という視点から企業が従業員の休暇を活用している面もあるようです。
1万人の従業員を抱える企業が1日当たり、1万円の日給を節約すれば、わずか1日で1億円のコスト節約ができるからです。
「裏コスト」の発生に注意したい物流コストダウン
ただし、コスト削減が常に企業にとってベストの選択となるかどうかはわかりません。
コスト削減を金科玉条のように捉えることにはリスクも伴います。
過度なコスト削減は裏コストの発生を生むことがあるかもしれないという点も常に考慮に入れなければならないでしょう。
物流についていえば、「過度な物流コストの削減はどこかで大きな反動につながるリスクも存在する」ということも肝に銘じておきたいところです。
一見、コストダウンを実現したように思えても、実は見えない「裏コスト」が発生しているというケースもあるわけです。
たとえばトラック運賃をあまりに安く値切ればその反動で輸配送の質が低下し、誤配送や配送品の破損などが増えてしまうかもしれないわけですし、部品センターの人件費を節約するあまり人員を極端に減らせば、納品ミスなどが多発するかもしれないのです。
無論、そうなればそれに伴うコストも負担も結局、増えることになります。
コストダウンを行う場合にはそれに伴うリスクも発生するということを認識しておく必要があるのです。
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筆者紹介
鈴木 邦成
物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。 -
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