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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(200)後継者の育成〈事例A〉
2018年6月15日
〈永続性も経営の目的〉
中小企業の運命は、いつしかつぶれていくようになっているのかも知れない。「つぶれる」と言えば表現がキツいが、消えていく、溶けていく︱︱といったところだ。
日本国には、相続税がある。A社の場合は、会社内容がよくなればなるほど、株価が上がる。株を相続する学者の息子には、重い税金がのし掛かってくる。相続税を払うために、四苦八苦する。このプロセスで、企業が消えていくのかも知れない。経営の目的は、収益性、教育性、社会性、永続性である。
①収益性︱企業は、利潤なくしては罪悪である。ところが、物流企業の大半は、アップアップしている。儲ける力なくして、企業とは言わない。
②教育性︱企業活動のプロセスで、それに従事する者の人間性を向上させていくことが、企業経営の目的である。働く人の鬱が増えている。体調が悪くなる人もいる。こうしたことが企業経営の目的ではなく、ヒトとしてのレベル=人間性—を向上させていくことが目的である。
③社会性︱人様の役に立つことが、社会性である。犯罪会社であってはならない。荷主の役に立つことで、社会性を獲得することができる。利潤を出すことで税金を納付する。このことも、立派な社会性である。
④永続性︱〝パッと咲いてパッと散る〟桜の花も美しいが、企業の目的は、永続性にある。継続することである。永続性にチャレンジするのが、企業というものである。
A社は現状として、収益性、教育性、社会性はそれなりに具備している。しかし、永続性に赤ランプが灯っている。赤ランプの原因は、人づくり、とりわけ後継者教育の不在にある。
(つづく)
この記事へのコメント
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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