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物流ニュース
山本水産輸送 アシストスーツを導入、腰の負担軽減に期待
2018年10月30日
山本水産輸送(山本新吾社長、岡山市中区)は、冷蔵庫内で仕分け作業に従事する社員の身体的な負担を軽減するため、園芸機器や軌条運搬機(モノレール)などを製造するニッカリ(同東区)が開発したパワーアシストスーツ「ニッカリ バディ」を導入する。このほど本社にある冷蔵倉庫でデモンストレーションを行い、実際に作業に当たる従業員らが腰部などの負担軽減を体験した。
腰に掛かる負担を考えながら製作された同スーツは重さ6・8kg(バッテリー込み)。2~3時間の充電で約8時間稼働し、上半身サポート用の樹脂フレームや大腿部を保護するアルミフレームなどが中腰・前傾作業や歩行補助、荷物の上げ・下ろし作業をアシストする。
メーカー関係者によれば「荷を下ろすような前かがみの姿勢の場合はブレーキが掛かる形で(一気に荷物が下がらないように)補助。後ろ向きには立ち上がりをアシストするほか、中腰での作業が続く場面ではホールドする格好で腰への負担を軽減する」(坂根誠・国内営業部長)という。元々は果樹園で作業する農家を対象に開発を始めたが、近年は物流など多方面からの引き合いも増えているようだ。
一方、山本水産輸送は昨年から県内の学校給食用の牛乳配送を始めた。現在は28の配送コースに2トン冷蔵車を投入し、およそ300の小中学校に向けて納品しているが、それにともなう本社冷蔵庫での牛乳の取扱量は1日に大型トラック4台分。庫内では2人の作業員が仕分けに当たっているが、「社員も高齢化しており、腰への負担軽減など働く環境を改善するのが一番の目的」と山本社長。
「汗対策が必要となる夏場の炎天下での着用とは違い、冷蔵庫の中なら(真夏でも)そうした問題もない」(坂根部長)と今後、物流関係の企業にも積極的にアピールしたい考え。価格は400万円ほどと高価なこともあり、メーカー側ではレンタル方式を提案。「月間の料金は10万円程度になる」(同部長)としている。
また、「重い物が軽くなるというのではなく、腰の動作をアシストすることで20kgの荷物が7kgほどに感じられるということ」(同)と補足。製品の問い合わせがあった場合は会社を訪問し、「まずは実際に体感し、そのうえで導入を検討していただくようにしている」と話している。
デモンストレーションでは、実際に仕分け作業に当たっている松本浩さん(59)がスーツを着用。「慢性的な腰痛持ち」というが、40本の牛乳ビンが入った箱を持ち上げると「箱が浮くと同時に一気に軽くなった。特に下ろすときが(ブレーキが掛かってゆっくり下がるので)ラクに感じる」と驚きの表情で感想を口にした。
山本社長も体験し、「腰の悪い人には絶対にいい」と太鼓判。「高齢化する従業員の働く環境を改善し、気持ちよく業務に就いてもらうことで作業の効率化も図れる」と期待する。
◎関連リンク→ 有限会社山本水産輸送
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