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ブログ・青木 正一
第4回:荷主の立場で業務を行う
2006年4月10日
我々もデータ分析などで問題箇所は把握しているつもりだったが、「現場の生の声」を聞くと、違った視点からの問題点や改善案が生まれてくるものであると改めて実感させられた。
この後、A運送のTさんを交え、ルートの再編成を行った。さらに、クレームの多いドライバーを中心に減車を行い、K社では当初目論んでいただけのコスト削減と物流品質の向上を果たすことができた。
今回の事例では、どこの荷主でもコスト削減となれば考える「配送車両の減車」を実行した話であったが、減車を行う対象の決め手となったのは、ドライバー品質とその物流企業がどれくらい荷主の立場に立って「パートナー」として業務を行っていたかであった。
運賃値下げ交渉はほとんどの企業が行っており、ぎりぎりのラインで走っている物流企業が多いことは荷主も理解し始めている。
荷主は様々な視点から業務の効率化やコストダウンにつながるネタを探している。荷主の得意先と、日々、顔を合わせ納品しているのは物流企業のドライバーである。荷主の知らない配送先の情報を荷主と共有化することで、物流の効率を向上させる要素はたくさんあるはずである。
そうすることで、荷主との関係はより深いものになるであろうし、物流企業にとっても効率的に利益を高める結果になるはずである。この記事へのコメント
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筆者紹介
青木 正一
株式会社日本ロジファクトリー
1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。
主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。 -
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