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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(246)人材教育
2019年6月3日
1.配車日報の活用による配車担当者の育成
「ここのところ売り上げがダウンし続けている。その上、じわりじわりと燃料費もアップしている。これから先、我が社の経営は大丈夫だろうか」。A物流業の経営者の嘆き、不安の声である。これから先どうするか。A社では、配車担当者のマネジメント能力向上に取り組むこととする。直面している経営危機を乗り越えていくには現場の力、とりわけ配車担当者のやる気が決め手となる。
・A社の配車担当者の現状
ドライバー出身者が配車担当者となっている。給料は、ドライバー時代は稼ぎに応じていたが、配車担当になってからは固定給である。売り上げが上がっても上がらなくても給料は変わらない。その上、収支を掴む状態になっていない。どれだけの売り上げがあって、経費(燃料費、高速代、修理代など)はいくらかかり、残った利益についてプラスかマイナスか知らない。毎日毎日、配車のやりくりに追われている。
突発的な異常も発生する。例えば、出勤予定のドライバーが急に休む。荷物がまだ着いていないとのクレームが荷主からくる……「1日が終わるとホッとしますね」(配車担当者の言)。その上、交通事故が発生すると現場に直行する。A社の配車担当者の現状はその日暮らしである。
経営危機突破のためには現実を見据えて目標を立てる。目標達成のためには日々の経営数字を掴むことである。その上で、どうしたらもっと経営数字が良くなるか、対策を立てて実行することである。こうした取り組みは、見事なほどスッポリと抜け落ちているのが、A社の現状である。「いくら頑張っても給料が一緒だからね。もう一つ頑張ろうという気が起きないよ」。このままで良いわけはない。配車担当者を経営に参画(コミットメント)させることである。 (つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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